ベンキュージャパンは、ハードウェアキャリブレーションに対応した写真・映像編集向けの27インチ液晶モニター「SW270C」を2019年8月8日に発売する。価格はオープンで、市場想定価格は10万円前後。
「SW270C」は、正確な色表現にフォーカスした「BenQ AQCOLOR」シリーズの最新モデル。取り外し可能な遮光フード(横のみ)、デザインを一新して、より使いやすくなったホットキーパックG2を標準装備。また、Thunderbolt 3対応のUSB Type-Cポートを搭載する。ノートパソコンに接続して作業する場合には、ケーブル1本でパソコンへの60W給電も可能となっている。
「SW270C」は、Adobe RGB 99%、sRGB / Rec.709 100%カバーに加え、DCI-P3 / Display P3色域を97%までカバーする27インチの液晶モニターだ。複数の色空間のカラー標準に対応するだけでなく、16-bit LUT(ルックアップテーブル)を備えた10bitパネルを採用することにより、RGBのカラーブレンド精度が向上、オリジナルのイメージが持つ本来の色再現が可能になっている。
解像度は2560×1440(WQHD)。最新のムラ補正技術を採用しており、製造段階で1台ごとに色の微調整を行い、輝度と色の両方において均一化を実現した。
映像編集に最適なHDR 10、1080/24P リアル再生にも対応し、ラフカットの編集から、エフェクトの追加、色の編集、合成まで、すべての工程において、抜群の精度で色合いがレンダリングされ、写真編集だけでなく映像の編集作業にも最適なモデルとなっている。
「SW270C」は、ハードウェアキャリブレーション機能を備える。グラフィックカードの出力データを変更することなく、モニター内部の画像処理チップを調整可能だ。また、X-Rite社と共同開発したキャリブレーションソフトウェア「Palette Master Element」を無料提供している。操作しやすい「Palette Master Element」のインターフェイスと多彩なパラメータ設定により、作業内容に応じてICCプロファイルを簡単にカスタマイズできる。従来のSWシリーズ製品と比べ、「Palette Master Element」によるキャリブレーション時間が大幅に短縮されている点も特徴だ。
異なる色空間の映像を左右に並べて同時に表示できるGamutDuo(ガンマデュオ)は、編集作業の効率アップに役立つ機能のひとつ。2台の異なるPCからも同時に表示比較をすることができる。
さらにカラー写真を白黒映像効果で強調表示を可能にする高度なモノクロモードも特徴となっている。実際に調整を加える前に、3種類のプリセットされたモノクロモードから写真をプレビューすることができるのだ。
パソコン側で表示解像度を1080に変更することで、リフレッシュレートを映画編集に最適な1080/24Pに変更可能。通常モニターの60Hzリフレッシュレートによって生じるソース映像の歪みがなくなり、24pのフィルムコンテンツを正しいフレームで表示することが可能になる。
標準装備のホットキーパックG2(OSDコントローラー)は、デザインを一新。よりスタイリッシュで、直感的な操作がしやすくなった。操作ボタンはカスタマイズが可能となっており、Adobe RGBモード、sRGBモード、モノクロモードを簡単に切り替えることができるだけでなく、明るさやコントラストなどのOSD設定を割り当てることもできる。作業効率を向上させることができるアイテムだ。
■BenQ SW270C 主な仕様
[サイズ]27インチワイド [パネル/バックライト]IPS(ノングレア)/ LED [解像度]2560×1440(WQHD) [表示サイズ]596.7×335.6mm [表示色]約10億7000万色 [アスペクト比]16:9 [コントラスト比]1000:1 [輝度]300cd/㎡ [視野角]上下左右178° [ティルト角度]上 −5°/ 下 20° [スウィーベル]左右 45° [ピボット]90° [高さ調整]150mm [入出力端子]USB3.0×3(ダウンストリーム×2、アップストリーム×1)、HDMI 2.0×2、Display Port 1.4×1、USB Type-C×1、SDカードスロット、ヘッドフォンジャック [本体サイズ(幅×高さ×奥行き)]626×504.5~614.3×334.8mm(台座あり) [本体重量]9.5kg [付属品]miniDP to DP / USBケーブル / 電源ケーブル(各約1.8m)、USB Type-C(ケーブル(約1m)、遮光フード(横のみ)、ホットキーパックG2 ほか [保証期間]3年保証
〈文〉柴田 誠