ソニーからαシリーズの機動力をさらに高める小型軽量な35mmレンズ「FE 35mm F1.8」が発表された。画面周辺まで高解像にこだわり、開放F1.8でボケ味もしっかり楽しめる一本だ。
Eマウントユーザー待望のスペックが整った万能選手
35mmという焦点距離はスナップの定番。ソニーEマウントの純正レンズにもカールツァイス銘でF1.4とF2.8の2本がある。しかしEマウントユーザーからは、明るさと携行性のバランスがいいその中間を求める声が多かった。FE 35mm F1.8はまさにその声に応えるスペックで、F1.4に比べると重量は半分以下の280g。サイズはFE 55mm F1.8とほぼ同じだ。
今回はα7RIIIで試写したが、カールツァイス銘の2本がこってり気味なのに比べて、ナチュラルでクセのない描写という印象。強い個性はない代わりに被写体を選ばない。絞り開放でのボケ味も美しく、一方でピントが合った部分はシャープ。そして何より魅力的なのが最短撮影距離が22cmと短いこと。ここまで寄れると表現の幅もグンと広がってくる。
フォーカスホールドボタンを装備
単焦点の広角レンズでは珍しく側面にフォーカスホールドボタンを搭載。ボディ側で好みの機能を割り当てることができる。フォーカスリングは幅広でMF操作も良好。
使いやすいサイズ感と描写を両立
カールツァイス銘の2本の35mmを両側に置き、サイズ感を比較。F2.8の小ささも魅力的だが、明るさを考えるとF1.8が購入のメリットは大きいと思う。半段明るいF1.4との差も大きい。
▲FE 35mm F1.4/FE 35mm F1.8/FE 35mm F2.8
レタッチにも向くあっさり描写が好印象
これはいわゆる「撮って出し」のJPEG画像。コントラストが低めで、どちらかといえばあっさりした描写だが、レタッチを前提とするならむしろ好都合といえる。
ソニーα7RIII FE 35mm F1.8 絞り優先オートF1.8 1/80秒 ISO160 WB:オート
花にグッと迫って美しいボケを楽しむ
最短撮影距離の22cmで撮影。花を見ると後ボケだけでなく、前ボケも美しいのがわかる。FE 55mmは寄れないという不満をよく聞いたが、その点を意識して開発したのだろうか。
ソニーα7RIII FE 35mm F1.8 絞り優先オート F1.8 1/320秒ISO100 WB:オート
ソニーFE 35mm F1.8の主な仕様
2019年8月30日発売
希望小売価格/ 87,000円(税別)
SPEC
●レンズ構成/ 9群11枚
●最短撮影距離/ 0.22m
●最大撮影倍率/ 0.24倍
●絞り羽根/9枚(円形絞り)
●フィルター径/55mm
●大きさ/外径65.6×全長73mm
●質量/280g