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ニコンF、ハンザ・キヤノン、アサヒフレックスI型が未来技術遺産に

独立行政法人 国立科学博物館は、「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」にフィルム‏カメラ3機種を含む26件を新たに登録した。

 

ニコンF
▲ニコンF

 

「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」は、日本の科学技術の発展を示す科学技術資料を保存し、次世代へ継承するための登録制度。「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの」「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの」を2008年より国立科学博物館が選定している。今回で登録数は285件になった。

このたび登録されたカメラは、「ニコンF」(株式会社ニコン所有)、「ハンザ・キヤノン」「アサヒフレックス I型」(いずれも日本カメラ財団所有)の3機種。

ニコンF

1959年に発売されたニコン(当時は日本光学工業)初のレンズ交換式一眼レフカメラ。絞りと露出計の連動、モータードライブの実用化など、世界初のさまざまな機能が盛り込まれ、高級一眼レフカメラとしての地位を築いた。1973年までの15年間にわたり、計80万台以上を生産。未来技術遺産の選定理由として「機能、品質面及びシステム性により、国産カメラの評価を世界的に高めた」「日本のカメラ産業を世界一に導く契機となった機種として重要である」(抜粋)とされている。

ハンザ・キヤノン

1936年に日本初の35mmフォーカルプレーンシャッター搭載レンジファインダーカメラとして発売された。選定理由は「単なるライカの模倣に終わることなく、独自のレンズマウントを採用し、また、フィルムカウンターを前面に配置、独創的な飛び出し式ファインダーを備えるなど、国産小型精密カメラ開発の嚆矢(こうし)となった記念碑的な製品として重要である」(抜粋)。

アサヒフレックス I型

1952年に国産初の35mm一眼レフカメラとして旭光学工業(現:リコーイメージング)から発売された。選定理由は「一眼レフをカメラの主流に導く原動力となった」「日本が世界を席巻した一眼レフカメラを独自技術で製品化した最初の機種として重要である」(抜粋)。

 

令和元年度(2019年度)第12回~技術の歴史を未来に生かす~未来技術遺産 登録パネル展

2019年9月23日(月・祝)まで、国立科学博物館 上野本館にて「未来技術遺産 登録パネル展」も開催。登録資料のパネル展示をメインに、一部実物も展示されている。

期間 2019年9月10日(火)~23日(月・祝)
会場 国立科学博物館 上野本館 日本館1階中央ホール
住所 東京都台東区上野公園7-20
時間 9:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで 入館は閉館30分前まで)
会期中の休館日 9月17日(火)
入場料 一般・大学生620円 高校生以下無料

 

 

 

〈文〉佐藤陽子