新幹線、特急、ローカル線、通勤電車、蒸気機関車など、鉄道写真の第一人者・広田尚敬さんが撮影した平成の鉄道名場面が写真集になった。
鉄道の歴史は明治から始まり、令和で5つの時代を重ねた。本書には平成の31年間に広田さんが撮影した鉄道風景を収め、そこここに時代の変遷が見える。
写真集を一見したとき、さまざまなデザインの列車が誕生していることに驚く。超特急は流線形で実に近代的な装いとなった一方で、戦隊ヒーローを思わせるカッコいい車両もある。各地で懐かしい光景を探したローカルの章では、味わい深いモノクロームが並ぶ。明治生まれの跨線橋や、剥き出しで自動車を運ぶ立山砂防鉄道、国産機関車の雨宮21号なども紹介。首都圏を走る路線では、かつて大都市で活躍したキハ35系が健在だ。
写真集 広田尚敬セレクション『平成の鉄道』
B5判変型・96ページ
本体 1,800円（税別）
2019年8月7日発売
講談社
〈文〉市井康延