中野耕志さんが、写真集『侍ファントム F-4最終章 SAMURAI PHANTOM F-4 FINAL CHAPTER』を上梓した。
航空自衛隊のF-4ファントムが2019年度を最後に退役する。その雄姿を収める大役を任されたのが中野さんだ。自身、戦闘機パイロットに憧れて航空学生の試験を受け、飛行適性検査の第3次試験まで進んだ経歴を持つ。
最高時速は音速のおよそ倍、時速2370kmとなる機体を捉えるには事前に綿密な計画が必要だ。写真家が示した撮影ポイントを飛行隊のナビゲーターが検証し、地図を作成。それに沿ってパイロットが正確に飛行する。中等練習機T-4に乗っての空撮も敢行し、飛行中の機体を上空から捉えた1枚もある。大判の写真集いっぱいに描き出された機影は、精緻かつ迫力満点だ。巻末にはファントムに2300時間以上飛行したパイロットのエッセイも収載。
中野耕志『侍ファントム F-4最終章 SAMURAI PHANTOM F-4 FINAL CHAPTER』
A4判変型・160ページ
本体 3,182円(税別)
2019年9月28日発売
廣済堂出版
〈文〉市井康延