機材レポート

ハイスペック機能を小型ボディに凝縮! オリンパス「OM-D E-M5 Mark III」実写レポート

OM-Dシリーズのミドル機として人気のE-M5 Mark IIがモデルチェンジ。上位モデルE-M1 Mark II/E-M1Xの先進機能を惜しみなく投入し、手持ちで軽快な撮影が楽しめるカメラに進化した。

オリンパス OM-D E-M5 Mark III
[参考価格] ボディ 162,800円、14-150mm II レンズキット 195,800円 (いずれも税込)
[ボディカラー] シルバー、ブラック

上位モデルの優れた機能をコンパクトボディに凝縮

このところハイクオリティー、ハイスペック志向が続き、カメラもレンズも大型化が続いていたオリンパス。しかし、ミラーレス機の本来の特色といえば小型軽量システム。こんなにも小さく軽いのに、手ブレ補正搭載、過酷な環境撮影にも耐えうる防塵防滴性能と「機動力」を前面に出せるカメラをユーザーは欲していた。

そのニーズに応えるべく4年9か月の時を経て、格段に進化したオリンパスOM-D E-M5 Mark IIIが登場した。サイズはまさにユーザーが描くイメージどおりの「ザ・マイクロフォーサーズ」。重さ414gと、OM-D E-M5 Mark IIよりも55g減量している。

驚くのはその性能の高さとポジショニング。画像処理エンジンはトゥルーピックⅧになり、画素数は16Mから20Mに進化。プロキャプチャーモードや静音連写、121点オールクロス像面位相差AFセンサーに5軸5.5段手ブレ補正など、プロの要求に応える性能を小型軽量ボディにすべて詰め込んだことで、E–M1XやE–M1マークⅡと同列に格上げされた。

E-M5 Mark IIIの性能の高さはもちろん魅力だが、持ち運んだり、使えば使うほど「ミラーレス一眼の魅力はやっぱり小型軽量だよね」と再認識させられる。バッテリー形状はE-M1シリーズと異なるが、同時使用や使い分けをしたいカメラである。

<オリンパスOM-Dシリーズ スペック比較>

OM-D E-M5 Mark IIIの主な特徴

OM-1を彷彿させるデルタカット

フィルムカメラOM-1のデザインの特徴であるデルタカットを採用。グリップをあえて大きくし、カメラを構えたときに右手親指が外側に流れないようにサムレストを強調してホールディング性を向上させている。

上位モデルと同じ121点像面位相差AF

E-M1XやE-M1 Mark IIと同じ121点オールクロス像面位相差AF センサーを採用。精度が高く、低コントラストの被写体や不規則な動きの被写体にも素早く追従する。低輝度も-6EVまで測距可能だ。

新開発の小型手ブレ補正機構を搭載

ボディサイズに収まる新開発の小型5軸手ブレ補正機構を搭載。E-M5 Mark IIよりも0.5段向上し、E-M1 Mark IIと同等。補正効果はボディ単体で最大約5.5段、5軸シンクロ手ブレ補正で最大約6.5段の効果が得られる。

コンパクトなまま操作性をブラッシュアップ

グリップが大きいE-M1 Mark IIと比べると、E-M5 Mark IIIは薄く小さい。モードダイヤルは右に移行し、E-M5 Mark IIにあった外部フラッシュ端子はなくなり、セルフタイマーランプ/AFイルミネータのみとなった。

左:E-M5 Mark III  右:E-M1 Mark II

E-M1 Mark IIに匹敵する撮影機能が充実

  1. 50メガ相当の高解像度撮影ができる三脚ハイレゾショット
  2. 最大14コマ分遡って記録できるプロキャプチャーモード
  3. 室内撮影で威力を発揮するフリッカーレス撮影/フリッカースキャン
  4. USB接続でカメラ本体内のバッテリーを充電可能
  5. 像面位相差AFと手ブレ補正でアクティブな4Kムービーに対応

OM-D E-M5 Mark IIIの作例

つがいのトキを1200mm相当で手持ち撮影

停車した車内よりテレコンを噛ませて1200mm相当でトキを手持ち撮影。高速・高精度な121点オールクロス像面位相差AFでピントを合わせ続け、最大約6.5段分の5軸シンクロ手ブレ補正によりブレずに決まった。

オリンパスOM-D E-M5 Mark III M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO+ MC-20 絞り優先オート F5.6 1/1600秒 -0.7補正 ISO200 WB:晴天

警戒心を与えずに自然な表情が捉えられる

はさがけした稲を脱穀、袋詰めしている老夫婦に声をかけて作業終了まで撮影させてもらった。カメラもレンズも小型軽量で威圧感がなく、初対面でも警戒心を与えないのはスナップ撮影向きと言える。

オリンパスOM-D E-M5 Mark III M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 絞り優先オート F2.2 1/2000秒 -0.3補正 ISO200 WB:晴天

E-M1シリーズと同等の画質でクリアに描く

画像処理エンジンTruePicVIIIを搭載し、20M LiveMOSセンサーに進化したことでOM-D E-M1 Mark IIやE-M1Xと同等の画質になった。大伸ばしプリントにも耐えうる繊細かつ立体的な画像とクリアで抜けの良い発色は満足度も高い

<部分拡大>

オリンパスOM-D E-M5 Mark III M.ZUIKO DIGITAL ED12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F5.6 1/1600秒 -0.7補正 ISO200 WB:晴天