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星空写真を手軽にランクアップ! スマホからも操作できる星空雲台「ポラリエU」

ビクセンは、新型の星空雲台「ポラリエU」を2020年1月31日に発売した。本体のみの希望小売価格は62,000円 (税別)。

ポラリエU

 

「ポラリエU」は、星の動きに合わせカメラを自動で動かすことができるカメラ雲台で、いわゆる「ポータブル赤道儀」と呼ばれるものだ。単純にカメラを固定して長時間露光すると、星は天体の日周運動により動いてしまい、星座の形や天の川がわかりにくくなってしまうが、「ポラリエU」を使うことで、長時間露光でも星を点像としてとらえることができる。

ポラリエU作例

 

構造の見直しにより、従来機の「ポラリエ」よりも20%以上軽量になり、耐荷重も星景・星野写真撮影時の使用で2.5kg、ポラリエ用マルチ雲台ベースやスライド雲台プレートDDなどの強化オプション (別売) を使用することにより最大約6.5kg、タイムラプス撮影時の使用では10kgと大幅にアップしている。

ポラリエU
▲カメラと雲台の取付例。

 

電源は単三形アルカリ乾電池4本、もしくは外部電源端子 (USB Type-C) が使用できる。単三形アルカリ乾電池でも連続7時間 (20℃・2.5kg搭載時) の動作が可能となってはいるが、極寒地で夜通し撮影することもよくある天体撮影では外部電源が使えるのは心強い。また赤経方向の動作のみだが、星を追尾するための専用カメラを取り付け、自動追尾を行うオートガイダーにも対応、天体望遠鏡などを使用する場合などの精密な追尾が必要な撮影にも対応している。

ポラリエU
▲オートガイダー端子

 

さらに、専用アプリをインストールしたスマートフォンをコントローラーとして使うことで、回転速度調整やカメラのシャッター制御など、インターバル撮影やタイムラプス撮影時の複雑な設定も行うことができるようになった。タイムラプス撮影中に露光時の動作を止め、露出終了後に雲台を動かすSMS (シュート・ムーブ・シュート) 機能も搭載しており、夜景の撮影時など長時間露光が必要な場合でも完成度の高いタイムラプス動画を撮影することができる。もちろんスマートフォンがなくても単体で赤道儀としての使用が可能だ。

ポラリエU 極軸望遠鏡PF-LIIセット

広角レンズでの使用なら、本体に付属している素通しファインダーに北極星を入れる簡単な極軸合わせで撮影を楽しむことができるが、標準~望遠レンズでの撮影では極軸望遠鏡を使用した精密な極軸合わせが必要になる。そのようなときに使用するのがこの「ポラリエU 極軸望遠鏡PF-LIIセット」だ。

ポラリエU 極軸望遠鏡PF-LIIセット
▲極軸望遠鏡と極望アームのセット。希望小売価格は32,500円 (税別)。

従来のポラリエでは、雲台と取り付けるマウント部を取り外さないと極軸望遠鏡を付けることができなかったため、精密な極軸合わせ (天の北極とポラリエの回転軸を合わせる作業) が難しかったが、「ポラリエU」ではカメラを取り付けた状態での極軸合わせが可能になったため、大幅に使いやすくなった。

ポラリエU+極軸望遠鏡PF-LIIセット
▲ポラリエU本体への取付例。極軸望遠鏡PF-LIIセットにポラリエU本体は付属しない。

 

従来の赤道儀のイメージを大きく変えた星空雲台ポラリエの登場により、より手軽に天体の追尾撮影ができるようになったが、今回の「ポラリエU」により、さらに手軽に拡張性に優れた星空撮影、タイムラプス撮影システムが構築できるようになった。これからの星空撮影に大いに活躍してくれそうだ。

Vixen ポラリエU 主な仕様

三脚取付 3/8インチカメラネジ穴2か所 (1/4-3/8変換ADネジ1個付属) 薄型アタッチメントプレート規格に対応
カメラ端子 φ2.5mm三極ステレオミニジャック
オートガイダー端子 6極6芯モジュラージャック (外部オートガイダー用)
電源 単三形乾電池4本 (アルカリ乾電池、Ni-MH充電池、Ni-Cd充電池対応)
外部電源  USB Type-C型対応外部電源に対応
連続動作時間 アルカリ乾電池使用時 約7時間
サイズ 88.5×72×110.5mm (突起部を除く)
質量 約575g (バッテリーを除く)

 

 

〈文〉青柳敏史