NECは、シャープ株式会社とNECディスプレイソリューションズ株式会社を合弁会社化することに合意したと2020年3月25日に発表した。具体的には、NECディスプレイソリューションズの株式のうち66%分をシャープに譲渡し、NEC保有分を34%とする。譲渡時期は2020年7月1日が予定されている。
NECディスプレイソリューションズとシャープは、国内外の市場で相互補完関係にあることが、合弁会社化の背景となっている。また、8Kをはじめとする先進技術を保有するシャープとの合弁会社化を通じて、新規領域の事業拡大やスケールメリットなどのシナジー創出を図り、中長期的な事業成長、収益体質の改善を目指すことが望ましいと判断したとしている。
NECディスプレイソリューションズは、ディスプレイ機器を中心とした映像ソリューション事業を担う企業。液晶ディスプレイをはじめ、ビジネスプロジェクター、デジタルシネマは、世界120以上の国と地域で高い信頼と評価を得ている。
一方シャープは、液晶ディスプレイ、電子黒板、ビジネスプロジェクター、8K関連製品などを提供しており、特に国内市場で強みを持っている。近年、暮らしやビジネスのさまざまな場面で映像ソリューションの活用が広がる一方で、競争環境が一層激しくなっていることが合弁会社化を後押ししたようだ。
なお、合弁会社はNECブランドの製品を引き続き提供していく。NECは合弁会社と密に連携して同社製品をグローバルに販売していくとしている。
〈文〉柴田 誠