吉村和敏さんの写真集『CAROUSEL EL DORADO – カルーセルエルドラド』が発売された。
遊園地の象徴的な乗り物といえば回転木馬ではないだろうか。華麗な装飾とイルミネーションが架空の世界に誘い込む。本書の主人公である回転木馬は100年以上前に製造され、ミュンヘン、ニューヨークで活躍し、今は「としまえん」で来園者を楽しませている。
吉村さんは遊具をつぶさに見つめ、塗料の剥げ、ひび割れまでも精緻に写し止めた。その写真は少しの淫靡さと物哀しさをたたえ、それが回転木馬の持つ魔力の源泉であったことに気づかされる。
吉村和敏写真集『CAROUSEL EL DORADO – カルーセルエルドラド』
A4判・80ページ
本体 4,500円(税別)
2020年3月13日発売
フォトセレクトブックス
〈文〉市井康延