ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供されるアプリケーションソフトウェア「Imaging Edge(イメージングエッジ)」。その機能の1つ「Edit」では、RAWやJPEG、TIFFファイルを取り込んで画像の調整を行うことができる。今回は「ノイズリダクション」について解説する。
※JPEGやTIFFファイルの場合、RAWデータに比べると調整できる項目は限られます
ザラザラしたノイズを抑える機能
[ノイズリダクション]は、高感度撮影や画像補正などで生じたノイズを低減するための機能だ。手早く処理したいときは[オート]を選択し、細部をチェックしながら厳密に処理したいときは[マニュアル]を選んで手動調整を行おう。あまり強く設定しすぎると、細部の解像感が低下してしまう点には注意したい。
使いこなし(1)効果と解像感のバランスを確認
まずは効果と解像感の低下を理解しよう。[適用量]を上げるとノイズ低減の度合いが強くなり、下げると弱くなる。また[カラーノイズリダクション]では色のざらつき感を、[エッジノイズリダクション]ではざらざらした粒状のノイズをそれぞれ低減できる。
<元の写真(±0)>
[ピクセル等倍]で調整作業をしよう
[ノイズリダクション]を操作する際は、まず[表示]メニューから[ピクセル等倍]を選択すること。縮小された状態では、ノイズリダクションのかかり具合が正確に表示されないからだ。
適用量
[適用量]を高くするとノイズリダクションの効果が強くなり、低くすると弱くなる。
<オート>
<マニュアル 0>
<マニュアル 50>
<マニュアル 100>
追加調整
[カラーノイズリダクション]では色ノイズが、[エッジノイズリダクション]では輝度ノイズがそれぞれ低減される。
<カラーノイズリダクション 100>
<エッジノイズリダクション 100>
使いこなし(2)高感度撮影時のノイズを目立たなくする
撮影時にISO感度の設定を高くすればするほど、写真にはノイズが目立つようになる。[ノイズリダクション]の[オート]を選択すれば、自動的にノイズ低減が行われるが、こだわる場合は[マニュアル]で調整しよう。
<元の写真(±0)>
【改善Point】高感度によるノイズが目立つ
元の写真は、感度ISO12800で撮影したもの。縮小表示ではあまりわからないが、等倍表示にすると全面にノイズが生じているのが気になる。これを[ノイズリダクション]で低減しよう。
シャープネスを保ったままノイズを低減する
[オート]を選択すると、ノイズが目立たないように低減された。ただし解像感がやや損なわれている。そこで[マニュアル]を選び、[カラーノイズリダクション]を100、[エッジノイズリダクション]を0に設定。シャープネスを保ったままノイズを低減できた。
<オート>
<カラーノイズリダクション:100、エッジノイズリダクション:0>
使いこなし(3)補正によって目立つ暗部ノイズを低減する
撮影したそのままの状態ではノイズが気にならなくても、明るさやコントラストなどを調整した結果、暗部ノイズが目立ってしまうケースもある。そんなときも[ノイズリダクション]を適用しよう。
<元の写真(±0)>
【改善Point】明るく補正すると暗部ノイズが目立つ
元の写真は、ISO1000で撮影。そのままでは特にノイズは目立たないが、やや暗めに写っている。そこで明るく補正した結果、暗部を中心にざらざらしたノイズが目立つようになった。
補正により発生したカラーノイズと輝度ノイズを低減する
[ノイズリダクション]の[オート]では、暗部ノイズが十分に低減されていない。[マニュアル]を選択し、[カラーノイズリダクション]を100、[エッジノイズリダクション]を50にすると、バランスのいい仕上がりになった。
<オート>
<カラーノイズリダクション:100、エッジノイズリダクション:50>
【参考本紹介】
ソニー イメージングエッジ完全マスター
ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。
2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2
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