写真愛好家向けのハイクオリティ-フォトブックを製作できる6社を紹介する。各社選べる種類や仕様が異なるため、違いを吟味することが大切だ。
【その1】マイブック
形状、サイズ、ページ数、用紙など選べる仕様が多くオリジナルの一冊が作成できる
フォトブックサービスをはじめて18年のキャリアを誇るアスカネット。色の再現性がよいのが売りで、利用しているプロの写真家からも高い評価を受けている。ダウンロードする編集ソフトは操作が簡単で、豊富なテンプレートやイラストを組み合わせて自由度の高いデザインが可能だ。
<種類/仕様>
見開き写真が見やすい合紙製本の「FLAT」(ハードカバー)、市販の写真集に近い仕上がりの「ART-HC」「ART-SC」などさまざまな種類から選べる。ページの表面に特殊加工を施したり、変色や退色に強い特殊インクで保存性を高めたりなどの工夫もある。※表内の「◎」はCAPA本誌の別企画にてレビューした際に使用した仕様
【その2】富士フイルム フォトブック
プリントを安心して任せられる「FUJIFILM」ブランド。ベテランから初心者まで納得の品質&操作性
フィルム時代からの写真プリントの歴史を持つ富士フイルムならではの写真品質が自慢。「Image Intelligence」による色補正に加えて、画像解析技術「Image Organizer」を使った自動レイアウトが秀逸。大量の画像からのセレクト、メリハリのあるページレイアウトがお任せで完成する点もうれしい。
<種類/仕様>
<ハードカバー仕様>
「ハードカバー」と「リング」は写真プリントと同じ印画紙出力、「ソフトカバー」は富士ゼロックス製のオンデマンド印刷機による出力となる。ハードカバーは見開きがフラットになるので大きく見せたい写真にはぴったりだ。
※表内の「◎」はCAPA本誌の別企画にてレビューした際に使用した仕様
【その3】DNPフォトブックドリームページ
大日本印刷が手掛けるサービス。高品質なオリジナルブックを提供
こちらは商用印刷の老舗だけに、「本」としての仕上がりのよさが魅力。印刷には6色液体トナーを使用する。初心者向けのかんたんオンライン版のほか、自由なレイアウトが楽しめるこだわりオンライン版やダウンロードソフト版での編集が可能。書体も豊富に選べる。
<主な種類/仕様>
【その4】フォトバック
オシャレに仕上げたいならNo.1! ホームページには参考作品が豊富に揃い、毎月「今月の一冊」を選ぶ
最大50種類の多彩なテンプレート、質感を重視したマット用紙に6色印刷。厚紙製本の「FOLIO」などは2枚の紙を貼り合わせた仕様で重厚感があり、見開きがフラットに開く。編集作業はウェブアプリのほかダウンロードソフトも用意。スマートフォンでの編集も可能だ。
<主な種類/仕様>
【その5】フジフォトアルバム
写真用印画紙を光で露光させて発色させる銀塩方式を採用
フジフイルム製「フロンティア」で焼き付けた写真用印画紙を使った高級仕様で、見開きがフラットになる。色再現や階調表現が自慢。サイズは6種類から選ぶことができ、ウェブアプリ上で豊富な定型レイアウトまたはフリーレイアウトで見せ方にもこだわることができる。
<オリジナルアルバム(表紙印刷タイプ)仕様>
【その6】フォトレボ
キヤノン製「ドリームラボ5000」を使用。自在レイアウト編集、スピード出荷も可能
キヤノン製フォトプリンター「ドリームラボ5000」による7色印刷で、高精細な仕上がりを実現。自由度の高いレイアウトが可能なダウンロードソフトには無料のフレームや背景デザイン素材が活用できる。業界最速クラスの3営業日出荷という早さも強みだ。
<主な種類/仕様>
どんな本を作りたいのかを決めてからサービスを選ぼう
家にいながらオリジナルの作品集を作れるのがフォトブック。以前に比べると技術もよくなっているし、編集アプリも高性能化していることもあって、最近ではプロカメラマンが営業先で自分の作品を見せるのに利用するケースも増えているらしい。
実際、何社かのサンプルを見せてもらったが、印刷や製本の品質は十分に高い。細かいことを言えばキリがなくなってしまうが、普通に楽しむぶんには価格以上の満足が得られるだろう。
今回はネットで調べたり、編集部内で利用経験者の意見を聞いたりして、おすすめの6サービスを紹介した。詳細は各社のウェブサイトなどをご覧いただきたいが、それぞれにこだわりを
持ってフォトブック作りをサポートしてくれている印象だし、利用経験者の評価もいいから安心できる。
さて、どこに頼むかも大事だが、問題はむしろ「本」としての体裁をどうするか。なにしろ、各社ともにサイズや仕上げなどのバリエーションが豊富なので、どんなフォトブックを作りた
いのかをしっかり決めてから、サービスを選ぶほうが効率がよい。そのうえで、編集アプリの操作性なども総合的に考えて、自分なりに使い勝手のいいところを選ぶのがいちばんだ。
また、色調などの補正を自分でやるのか、自動補正にするのかもポイント。不慣れな人にはお任せにできるほうが失敗は少なくていいが、作品として見せるなら色や明るさなどにもこだわりたい。このへんも考えどころだ。
※本記事は2020年5月発売のCAPA6月号をもとに制作しております。記事内の情報は当時のものとなります。