普段使っているAdobe Lightroomやカメラに付属のRAW現像ソフトだけじゃもったいない。今は評判の良いソフトを探して試してみるチャンス。デジタル写真をとことん楽しむなら一度は使ってみたい厳選ソフトを紹介しよう。
好みのソフトを見つけて自宅で画像編集を楽しもう
RAW現像ソフトはメーカーによって操作系が好みに合う合わないの問題が起きやすいが、発色や解像感、仕上がりのテイストなどにも違いが出やすい。同じRAW画像でも使うソフト次第で印象がまったく違ったりする。それだけに、好みに合うソフトを見つけることが重要となる。
一方、ある程度使い込んで機能の良し悪しをチェックしないと評価が難しいだけに、有名どころでないソフトはスルーしがち。でも、あまり目立たないマイナーな製品にも秀作ソフトは少なくない。「ステイホーム」で撮影に出づらい今だから、いつもと違うソフトにチャレンジしてみるチャンス。というわけで、ちょっぴりマイナーだけど試してみるべき画像関連ソフトを紹介しよう。
【その1】部分的な調整が直感的にできるプラグイン「Nik Collection 2.5 by DxO」
参考価格/14,900円
https://nikcollection.dxo.com/ja/section-2-5-ja/
PhotoshopやLightroomなどに組み込んで使用するプラグインソフト。以前はニコン純正の現像ソフトにもその技術が使われていたことでも知られていた。「U POINTテクノロジー」を使って部分的な調整が素早くかつ直感的に行なえるのが特徴で、モノクロ、ノイズ低減、HDRなど7つのプラグインと単体アプリがセットになっている。
【イチオシポイント】7種類のプラグインが作品づくりをサポート!
COLOR EFEX PRO
色彩補正、レタッチ、クリエイティブ効果を実現。
SILVER EFEX PRO
暗室作業のようにモノクロ写真を仕上げる。
VIVEZA
写真のカラー、色調、光を自在にコントロール。
ANALOG EFEX PRO
昔ながらのカメラ、フィルム、レンズの色彩を再現。
HDR EFEX PRO
アーティスティックな表現からHDR 写真まで楽しめる。
SHARPENER PRO
シャープネスとディテールを部分的にコントロール。
DFINE
カメラプロファイルを自動で作成しノイズを低減。
色調などを調整する「Viveza 2」では、画面上の調整したい部分にコントロールポイントを置いて、明るさや彩度などを細かく調整できるので部分的な微調整がしやすい。
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【その2】光学モジュールを搭載したRAW現像ソフト「DxO PhotoLab 3」
参考価格/19,900円(ELITE 版)12,900円(ESSENTIAL 版)
https://www.dxo.com/ja/dxo-photolab/
老舗のRAW現像ソフトでカメラとレンズ DxO PhotoLab 3の組み合わせに対応する光学モジュール(プロファイル)を使って強力な補正を行なえるのが特徴だ。そのせいか仕上がりにはややクセが感じられるが、ツボにハマると艶っ気のある画になってくれる。また、ノイズ低減やシャープ処理の優秀さも見逃せない魅力だ。
【イチオシポイント】写真を読み込むだけで自動的に画像調整
対応する光学モジュールが必要なこともあって新型カメラへの対応がやや遅めなのは弱みだが、画像を開くだけで自動的にいい雰囲気に画像調整してくれる。
<PhotoLab 3で画像を表示>
<Lightroomで画像を表示>
【その3】AI機能で作品を仕上げる画像編集ソフト「Skylum Luminar 4」
参考価格/10,560円
https://skylum.com/jp/luminar
新しめのRAW現像ソフトで、AIを利用した画像の編集機能が見どころ。木々の緑だけを鮮やかにしたり、人物の顔だけを明るくしたりといった、被写体に合わせた補正や加工が簡単な操作でできる。クリックするだけで写真の印象をガラッと変えられるプリセットも多彩。初心者にも親しみやすい印象だ。
【イチオシポイント】空をまるごと入れ替えて自然な雰囲気に仕上げる
雲が多くて微妙な感じの空をまるごと入れ替えられる「AI スカイ・リプレースメント」機能などは賛否が分かれそうだが、面倒なマスク作成を自動化してくれるAIのすごさは要注目だ。
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【その4】オールインワンタイプのRAW現像ソフト「Capture One Pro 20」
参考価格/36,156円(永久ライセンス)、21,767円(サブスクリプション)
https://www.captureone.com/ja-JP/products/pro
Adobe Lightroom同様のオールインワンタイプのRAW現像ソフトでこちらも歴史は古い。「ライブラリ」「現像」といったモジュールの概念がなく、閲覧、セレクト、現像などをシームレスに操作できる。色の出方や解像感などの部分でこちらを選ぶプロもいる。ソニー、富士フイルム機ユーザー向けの無償版がある。
【イチオシポイント】独自のツールでカラーバランスを調整
中央の円で色相、右側で明度、左側で彩度を調整できる「カラーバランスツール」。パッと見はわかりづらいが、使い方を覚えるとけっこう扱いやすい。
【その5】RAW画像を素早く閲覧できる高速ブラウジングソフト「Photo Mechanic 6」
参考価格/139USドル
https://home.camerabits.com/
各社のRAW形式に対応した画像閲覧ソフト。表示スピードが速く、ピクセル等倍状態で画像を切り替える際の待ち時間も短いのが強み。カラーラベルやレーティングによるフィルタリング、一括リネームなどのツールが充実しているのも魅力。RAW現像ソフトによる閲覧にストレスを感じているなら買って損はないが、海外サイトからの購入になり、日本語にも対応しないので、ハードルがちょっと高い。
【イチオシポイント】大容量のRAWデータをサクサク等倍表示
Adobe Lightroomなどはピクセル等倍に切り替えたときに高精細表示になるまで待たされるが、PhotoMechanicならサクサク表示してくれるからストレスフリーなのだ。
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※本記事は2020年5月発売のCAPA6月号をもとに制作しています。記事内の情報は当時のものです