リコーイメージングは、動画コンテンツ「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」の第1部を2020年7月17日に、第2部を2020年7月22日にそれぞれ公開した。
ゲストスピーカーに写真家の佐々木啓太さんを迎え、第1部では「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」と題し、リコーイメージング株式会社の高橋忍代表取締役社長と対談。第2部は、開発中のカメラ、レンズのファーストインプレッションという内容になっている。
■第1部「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」
PENTAXのブランドビジョンを紹介する動画から始まる「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」は、新型コロナウイルスの影響により、リアルイベントとして実施するは難しいとの判断から、動画で実施することとなったもの。ユーザーの代表として、写真家の佐々木啓太さんをゲストスピーカーに迎え、率直な感想や質問を高橋社長にぶつけながら、ブランドビジョン動画内の「5つのステートメント」を一つ一つ紐解いていくという内容だ。
5つのステートメントは、“写真が好きだからカメラを造る。”に始まり、“対話するように撮れるカメラを理想とする。”“撮影プロセスまで愉しめるカメラにこだわる。”“数値で測れない領域まで挑む。”“ユーザーの「写真体験」を資産とする。”までの5つ。カメラ開発の原点とも言える内容で、これからも一眼レフを大切にしていくという、高橋忍社長の「これからの決意」には、PENTAXブランドのモノづくりに対する真摯な姿勢が投影されている。
なお、同時公開されたスペシャルサイトには、ブランドビジョンの詳しい説明とブランドビジョンを紹介する動画が掲載されている。また、PENTAXブランドブックを申し込むこともできる。
■第2部「NEW APS-Cフラッグシップモデル最新情報」
第2部では、商品企画部の若代滋さんと佐々木啓太さんによる一問一答形式のやり取りで、開発中の製品を紹介。 PENTAXのブランドビジョン動画を体現する存在でもある、現在開発中の「New APS-Cフラッグシップモデル」の試作機をはじめ、製品化が検討されているレンズやカメラボディが次々と登場するという内容になっている。
最初に登場したのは、開発中のフラッグシップモデル。名前はまだ「NEW APS-Cフラッグシップモデル」のままだ。社外の人間として初めて手にする佐々木さんが、グリップのホールド感、光学ファインダーの視界の良さ、シャッターフィーリングなど、それぞれのレベルの高い完成度を実感をこめて紹介してくれた。
イメージセンサーや画像処理エンジン、アクセラレーターなどは新設計ということで、カードスロットはSDカードのダブルスロットを搭載する。また、低感度性能が向上しており、操作性だけでなく、画質についても期待に十分応えてくれるものとなるようだ。
■撮影プロセスを楽しめるシルバーモデルを開発中
続いて若代さんから、シルバーモデルについてということで、試作モデルの紹介があった。これまでPENTAXの一眼レフは、上位機種でもシルバーモデルを展開している。「PENTAX K-7」以降は、リミテッドレンズに合わせて出すという方針で、生産はブラックモデルが落ち着いてから手掛けられていた。だが今回は、シルバーボディに合わせてスターレンズのシルバーモデルを使ってもらいたいということで開発が進められているとのこと。
動画に登場したのは、スターレンズ3本「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW」と「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」のシルバーモデル。大型レンズのシルバーモデルは、これまでやったことがないとのことだったが、落ち着いたシルバー塗装で、高級感の感じられるものとなっている。
続いて「PENTAX K-1 Mark II」のシルバーモデルもお披露目。こちらは、台数を限定して発売する予定であることも明らかにされた。
■開発中のフラッグシップモデルはブラックとシルバーが同時発売!?
開発中の「New APS-Cフラッグシップモデル」については、ブラックとシルバーの両モデルを同時に展開する方向で進められているという。シルバーモデルは、ブラックとのツートンカラーとなっている軽快感のあるデザインで、ブラックのボディとは一味も二味も違う印象だ。
また、シルバーモデルのレンズの登場により、レンズがブラックでボディがシルバーという組み合わせだけでなく、逆の組み合わせも選べるようになるのが楽しい。今回の「New APS-Cフラッグシップモデル」では同時発売ということになるらしいので、どちらを買うか、発売前から悩むことになりそうだ。
なお「New APS-Cフラッグシップモデル」に関しては、PENTAXブランド公式サイト「PENTAX official」やリコーイメージングの英語版サイトなどで、新しい情報を随時公開していくとのこと。新たな情報公開はいつになるのか、どんな情報が公開されるのか、そして「これからのPENTAXカメラが大切にしていくこと」第3部はあるのか。ペンタックスからは当分、目を離せそうにない。
〈文〉柴田 誠