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インスタで活躍する注目フォトグラファー① Shota – 世界の絶景に自分を入れ込んで唯一無二の写真に

作品発表の場としてInstagram (インスタグラム) を活用するフォトグラファーが増えています。そこで、インスタグラムをメインに活動している新進フォトグラファー5人にインタビュー。写真を始めたきっかけ、機材のハナシ、そして今後のビジョンなど、インスタグラムのプロフィール欄には収まり切らない写真に対するアツ~い想いを語っていただきました。第1回では、Shotaさんをご紹介します。

 

いま注目したい! インスタグラムで活躍する新進フォトグラファーたち

 

Shota
 

Shota
大学を卒業後、大手旅行代理店に勤務。社会人3年目の春に退職。その後、2年をかけて自身の夢を叶える旅に出る。フィリピンにて語学留学ののち、オーストラリアにてワーキングホリデーを経験、そして世界一周の旅へ。帰国後、「世界一周写真展」を東京、大阪で開催。訪れた国は40か国。

@umestagram
世界一周の旅を機に本格的に写真を投稿。絶景や建物から自身の姿を入れた写真まで、現在も旅写真が中心だ。

 

秘境への冒険を、自分の姿を入れて記録
アメリカの秘境「ザ・ウェーブ」はアリゾナ州に位置し、景観を守るために自然保護区とされている。そのため、ここに行くことができるのは抽選で1日20名限り。幸運なことに、現地の抽選で2日目に当選した。地図を頼りに、このウェーブを目指す。まさに秘境への冒険だった。

 

応援コメントが写真投稿のモチベーションを高めた

インスタグラムを本格的に始めたのは約3年前、世界一周の旅に出発したときです。当時の旅のお供はニコンの一眼レフカメラとGoProでした。

 

初めは備忘録も兼ねて、旅の最中の写真を訪れた国の順に投稿していました。景色や動物、現地の人との写真、訪れた各国の国旗と一緒に撮った写真などです。すると、投稿するうちに僕の旅を応援してくださる方が増えていきました。僕のギャラリーを見て「元気が出ます」「感動しました」「一歩踏み出す勇気をありがとう」と嬉しいコメントをいただき、これは投稿のモチベーションアップにもなりましたね。すごくありがたかったです。また、インスタグラムを介して人と繋がったり、現地の情報を教えてもらったりすることもあって、いろいろな意味で支えられてきました。

 

そもそも旅が好きで、行きたい場所もたくさんあったので、気づいたときには「世界一周しちゃおう!」と考えていました。アジア諸国から回って、ヨーロッパ、中東、アフリカ、北米、中米、南米と文字通りの世界一周です。

 

ざっくりとしたルートはイメージしていましたが、下調べはほとんどしていません。「あ、この街好きだな」と思ったら少し長めに滞在してみたり、出会った旅人と旅路を共にしてみたりと、現地で決めることが多かったです。

 

実は、よく耳にすることではありますが、旅に出る前から “何かを得たい” といったことはあまり考えていませんでした。どちらかというとシンプルに “ここに行きたい” という気持ちがほとんどで。でも、実際に得たものは大きかったです。旅では思いがけないことの連続で、それまでの自分の常識が通用しない場面が多く、価値観がどんどん変化していくのがわかりました。

 

リャマがタイミングよく顔を出した瞬間に撮影

絶壁にたたずむ「マチュピチュ」は、南米ペルーのアンデス山脈に位置するインカ帝国の遺跡で、いまだに謎が多いとされている。訪れたのは雨季の2月だったが、天気に恵まれ、遺跡の全貌を写真に収めることができた。ここに暮らすリャマもタイミングよく顔を覗かせ、絵になる1枚に。

(C)Shota

 

現地の人を入れて街の雰囲気を強調する

モロッコのシェフシャウエン (通称シャウエン) は、「青の街」とも呼ばれる旧市街。ゲートをくぐると、そこには青い空間が広がっていて、歩いているだけで楽しい街だ。民族衣装 (ジェラバ) を着ている人が街中にいて、まるで「絵本の世界」に来たような気持ちになった。

(C)Shota
 

 

唯一無二の写真として大事にしている表現がある

人物や動物を撮るときは、その場の景色や空気に溶け込むように意識しています。絶景や建物は風景として捉えるだけでなく、時々、その風景の中に自分も入り込み、より自然にオシャレに、いわゆる「インスタ映え」の写真を収めることもあります。

 

自分が入り込んでカッコつけている写真をあとから見返すと、そのときの感情や情景までもハッキリと思い出すことができます。それに、自分が入り込んでいるだけで唯一無二の写真になるので、表現の一つとして大事にしています。自撮り棒を使って撮影するだけでなく、時には空中にカメラを投げてキャッチするまでの間に自動シャッターを切るといったこともしています。

 

民族衣装を着て自撮りを楽しむ

モロッコのサハラ砂漠。アクションカメラ「GoPro」を使って自動シャッターの設定 (0.5秒ごとに1枚) をして、カメラを空中に投げて手でキャッチするという方法で撮影した。旅に出る前から、サハラ砂漠を訪れたら民族衣装のベルベル衣装を借りて必ず撮ろうと決めていたアングルだ。

(C)Shota

 

実際に自分の目で見て好きなものを好きな目線で記録していく

「旅」と「写真」は僕にとって欠かせないもので、結果的にインスタグラムのギャラリーは、国内外問わず旅に関する写真が多くなっています。実際に行って、自分の目で見て、写真に収める。好きなものを好きな目線で記録していく。世界一周から帰国した今も、旅に出ては、収めた写真を投稿しています。

 

まだまだ行きたい所がたくさんあるので、これからも旅と写真を続けていくつもりです。もし、僕の写真を見て旅に出たくなった方がいらっしゃったら、それはとても嬉しいですね。