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日常なのに異世界のよう、ポップな色彩がはじけるフォトエッセイ『ポップス大作戦』

第15回 (1989年度)木村伊兵衛写真賞の受賞作家・武田花さんによるフォト&エッセイ集『ポップス大作戦』が発売された。

 

武田 花『ポップス大作戦』

 

武田さんは知らない街や温泉街を当てもなく歩き、その断片を写真と文章に落とし込む。2年前からカラー写真を始めたことで、世の中がまた新鮮に見え始めたようだ。

何も事件は起こらないが、彼女が目にする色のついた世界は僕らが知る街とは随分違う。まかり間違って日常の裂け目に迷い込んだら、こんな風景や出来事に出会うのかもしれない。

ページをめくると予測不能な写真が次々と現れ、文章も黒あり赤あり、写真の中で白く抜かれたりと縦横無尽。ポップにはじけまくる。

 

武田 花『ポップス大作戦』
四六判・112ページ
本体 1,600円(税別)
2020年6月24日発売
文藝春秋

 

 

〈文〉市井康延