桐生眞輔さんの写真集『文身』が発売された。
身体はその人を表す意匠でもある。そこに想い、内面を現す一文字を記し撮影したのが本書だ。タイトルの文身は「いれずみ」とも読む。
桐生さんは、祈り、誓い、願いから文身を施す人を募った。身体に文字を纏ったポートレートとともに文字を彫る工程などを捉えた写真に、その言葉に込めた想いを綴った文章を添えている。同性を愛する人、難病で余命宣告された人など、明瞭に意図を語る言葉からこぼれ落ちた滴を写真は掬い取る。
桐生眞輔『文身』
257×182mm・144ページ
本体 4,000円(税別)
2020年8月7日発売
赤々舎
〈文〉市井康延