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遊牧民の暮らしと近代的な風景が隣り合わせに存在する 山内悠写真集『惑星』

山内悠さんの写真集『惑星』が発売された。

 

山内悠写真集『惑星』

 

山内さんは2012年に、富士山の7合目から捉えた光景をまとめた写真集『夜明け』を刊行した。標高3000mの地で宇宙との境界線を実感し、地球が数多ある星の一つだと感じた。

本書はモンゴルの奥地で今も原始的な暮らしを続ける遊牧民がいることを知ったのがきっかけだ。山内さんは現地に赴き、砂漠でラクダと草原で羊やヤギとともに生きる人たちに出会った。

写真集は地球の創世を思わせる夜の荒野と星空から始まり、大自然と暮らす人々、そして旅の起点である都市ウランバートルの光景へと続く。シーンごとに紙質を変え、その幕間には変形サイズの小さなページを設けた。

一見異質な世界も隔絶して在るものではなく、確かに今この時代に存在し、この星を形作っていることを物語っている。

 

山内悠写真集『惑星』
B5判変型・144ページ
本体 5,000円(税別)
2020年9月5日発売
青幻舎

 

 

〈文〉市井康延