入江泰吉の写真と万葉歌126首を収録した『入江泰吉の詩情世界 万葉大和路』が発売された。
入江泰吉は奈良大和路の美しい風景を捉えた写真で知られる。カラー写真を撮り始めた1970年代以降は『万葉集』を研究し、その風景の中に万葉びとの時代や心に想いを馳せるようになった。
本書は飛鳥、吉野、平城京や万葉の花など5つに分けて、入江の写真と万葉集の歌を現代語訳とともに紹介している。例えば香具山を写した写真には、持統天皇の有名な一首と作者未詳のものが添えられた。写真と短歌が響き合い、見る人それぞれに空想が膨らむだろう
入江泰吉の詩情世界 万葉大和路
入江泰吉 (写真)、入江泰吉記念奈良市写真美術館 (編集)
168×121mm・288ページ
本体 2,800円(税別)
2020年9月10日発売
光村推古書院
〈文〉市井康延