リコーイメージングは、開発中の「PENTAX K-3 Mark III」プレス向け内覧会を2020年12月22日に開催した。内覧会では、タッチ&トライができたほか、カットモデルやスケルトンモデルなども展示。「CP+2021」ごろの発売を目指して、着実に開発が進められていることをアピールした。
<2021.4.1> 発売日が2021年4月23日に決定。
<2021.2.21> 発売時期の延期が発表された。
「PENTAX K-3 Mark III」は、APS-Cフラッグシップモデルとして開発されているデジタル一眼レフカメラ。「PENTAX K-3 II」(2015年発売) の後継機だ。7月に公開されたPENTAXのブランドビジョン(PENTAX STATEMENT)を体現する製品の第1弾となるカメラで、10月27日にはリコーイメージングの高橋忍社長による詳報動画が公開されており、すでに主要な機能も明らかにされている。
今回の内覧会では、実際の操作感、ボディの外観などをチェクすることができた。ただし外観と操作感のみの公開で、撮影データに関しては持ち帰ることはできなかった。また価格に関しても新しいアナウンスはなかった。
ここまで詳しく見せるか!?
会場には、タッチ&トライコーナーとは別に、「PENTAX K-3 Mark III」のさまざまな展示物が置かれていた。ここまで詳しく見せるのは、製品に対して自信があるからにほかならない。
内覧会の開催にあたって、高橋忍社長は「PENTAX K-3 Mark IIIは、PENTAX STATEMENTを体現する製品として、スペックには表せない部分にまでこだわって開発しています。そこの部分をぜひ感じて、記事にしてください」と記者たちにメッセージを送った。
「PENTAX K-3 Mark III」のカットモデル。APS-C機なので、ミラーは思いのほか小さい。一方、ファインダーの見え方にこだわっている機種だけに、大きなペンタプリズムの存在感やファインダー光学系の複雑さが目立つ。
ボディは、ブラックとシルバーの2色をラインナップする。従来機では、シルバーボディは限定モデルとなっていたが、「PENTAX K-3 Mark III」では通常モデルとして販売する予定だという。
ボディの骨格となるマグネシウムカバー。「PENTAX K-3 Mark III」のがっしりとした骨太の作りが見てとれる。ボディ全体を覆うマグネシウムカバーは、防塵防滴性能だけでなく放熱性能も良さそうだ。
内部構造を見えるようにしたスケルトンモデルも展示されていた。
「PENTAX K-3 Mark III」と「PENTAX K-1 Mark II」「PENTAX K-3 II」のファインダーを比較できるコーナーが設けられていた。「PENTAX K-3 Mark III」のファインダーは、比べてみるとクリアで色の偏りがないのが特徴。レンズ並みの光学設計をしたというヌケの良さだ。
いよいよタッチ&トライ!
「スペックでは表せない細部にまでこだわった」という「PENTAX K-3 Mark III」。操作ボタンの突起やストロークなどにも、そうした想いが込められているようだ。ストレスなく操作できるのは、ペンタックスの言う「撮影プロセスを愉しむカメラ」を意識したものだろう。
マウント脇には、ファインダーを覗きながら親指で操作できるように、各種ボタンが配置されている。「K-3 III」ロゴの向かって左上にある突起はシンクロターミナル。防塵防滴構造にするためにカバーが装着されている。
HDMIやUSB、マイク、ヘッドフォン端子はボディ側面に設けられている。
SDカードのデュアルスロットを採用する。
3.2型の背面液晶モニター。カメラの設定状況やピントなどの詳しい情報が表示できる十分な大きさとなっている。
メニュー画面はタッチスクリーンを採用しており、スクロールや選択も画面上でできる。メニュー表示は、「RICOH GR III」と同様な表示に変更されており、大きく見やすくなった。
バッテリーグリップの装着部分。バッテリーはボディ側かグリップ側のどちらかに入っていれば使用可能で、どちらを優先して使用するかをメニューで選択できる。
バッテリーグリップの操作ボタンは、ボディと同じ仕様となっており、縦位置で構えたときにも違和感なく操作できるようになっている。グリーンボタン、セレクトレバーなどが設けられているのは便利だ。
バッテリーグリップには、バッテリー1個を装着できる。また、SDカードホルダーを備えており、SDカードを1枚保管することが可能だ。
〈文・写真〉柴田 誠