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カメラとプリンターが計画を上回る売れ行き、キヤノンが業績予想を上方修正

キヤノンは、2020年12月期通期の業績予想を上方修正したと2021年1月14日に発表した。今回の発表は、2020年10月26日に公表した連結業績予想をさらに上方修正したもので、 新型コロナウイルスの影響で低迷していた需要が、想定よりも早く回復していることを示すものとなっている。

キヤノン 本社

 

2020年7月28日に発表されたキヤノンの第2四半期 (4〜6月) の連結最終損益は、新型コロナウイルスの影響で88億円の赤字に転落。主力であるオフィス機器・デジタルカメラが大きな打撃を受け、四半期ベースで初の赤字となっていた。

2020年10月26日には、低迷していた需要が想定より早く回復しつつあるということで、2020年12月期通期の業績予想を上方修正。売上高は従来予想の3兆800億円から3兆1400億円に、営業利益は450億円から640億円に引き上げた。「世界経済とともに総じて回復が続く」との想定によるものだった。

EOS R5
2020年7月30日に発売されたフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5

2021年1月14日の発表は、新型コロナウイルスの感染拡大によって縮小した需要が、第3四半期 (7〜9月) で想定よりも早期に回復してきたため、業績予想をさらに上方修正をしたもの。第4四半期 (10〜12月) は、フルサイズミラーレスの新製品が牽引するカメラや、在宅需要が続くインクジェットプリンターなどが、特に利益面で計画を上回って推移したことから、売上高3兆1600億円に、営業利益を1050億円とし、前年実績には及ばないものの増加を見込んでいる。

各国の政府が、新型コロナウイルスの感染対策と経済活動の両立を目指しており、ワクチン接種も開始されたものの、状況は日々変化しており、コロナ収束の見通しはいまだ不透明な状況だ。そんな中でフルサイズミラーレスカメラだけでなく、インクジェットプリンターの売り上げも伸びてきているのは明るい兆し。業界全体が牽引されるような状況になることを強く期待したい。

 

 

〈文〉柴田 誠