千葉県の「銚子電鉄」については、誰でも1回くらいはテレビのニュースなどで見たことがあるのではないだろうか? 関東の最東端に位置する銚子市の小さな鉄道は、ローカル線の例に漏れずなかなか (というかトップクラス) の経営難。ただし銚子電鉄は、ぬれ煎餅、線路の石の販売などを始めとしたさまざまな取り組みでそれに必死に立ち向かってきた「日本一のエンタメ鉄道」なのだ。
今回、銚子電鉄の竹本社長と仲のよい山岸伸カメラマンが、少しでも銚子電鉄の役に立とうと開催したモデル撮影会に同行することができたので、駅などの見どころと合わせて紹介しよう。
銚子駅
銚子電鉄銚子駅はJR銚子駅の2・3番線ホームの一番奥にある。以前はオランダ風の風車の付いた駅舎だったが、老朽化で撤去。資金難で再建できない……。
銚子電鉄銚子駅はJR銚子駅の中。駅が見つからないと慌てないこと。
切符を買ってJR銚子駅内に入り、2・3番線ホームの一番奥にある建物が銚子電鉄銚子駅だ。
裏はまた違った雰囲気を醸し出している。
厚紙の切符「硬券」が現役だ! 何十年ぶりに見たよ。車内で車掌さんが改札のための鋏を入れてくれる。
車内
今回はイベントだったので、走行中の団体撮影も特別に許可された。もちろん乗り合わせた一般の乗客に迷惑をかけないよう慎重に開催。車内アナウンスも面白いから聞き逃さないように注意!
仲ノ町駅
銚子駅の隣の仲ノ町駅には、仲ノ町車庫が隣接しており運行の妨げとならない範囲で見学が可能だ※。ちなみに銚子電鉄の本社もここにある。
※見学は状況により中止になる場合があります。
年季の入った整備場。見学に際しては入場券150円が必要となる。
整備場内の線路なので安心して撮影できる。
外川駅
終着駅の外川 (とかわ) 駅は、開業時よりそのままの木造平屋建て。ひなびた外観が良い雰囲気で、ロケなどにもよく使われる。屋外に古い車両も展示されている。
外川駅にはかつて実際に使われていた車両「デハ801」が屋外展示されている。
「デハ801」は車内に入れるので、揺れない車内を撮影できる。
見かけることが少なくなった丸型ポストもある。
撮影会には銚子電鉄が全面協力
山岸伸カメラマンのプロデュースでモデル撮影会を開催。銚子電鉄の代表取締役・竹本勝紀さんが全面協力してくれた。
銚子電鉄といえばコレ!
銚子電鉄と言えば「ぬれ煎餅」と「まずい棒」。その売り上げで銚子電鉄を救った「ぬれ煎餅」は、濃い口味、うす口味、甘口味の3種類。最近のヒット作「まずい棒」(コーンポタージュ味) は10本入りで発売中。「まずい棒」も数種類販売されている。オンラインショップでも買える。
ローカル鉄道らしい魅力がたっぷり
実際に訪れると、程よくヤれた車両や駅舎、豊富な緑や海が見える豊かなロケーション、楽しい車両放送など、ローカル鉄道らしい魅力に満ちあふれている。山岸さんは撮影会に続いて、5月には銚子電鉄女性車掌・袖山里穂さんのフォトブックを作るなどしており、今後も引き続き面白い企画を考えているそうだ。
東京からJR総武線で約2時間半ほど。マイカーでも行きやすい。何よりこんな面白い鉄道がなくなってしまってはもったいない。あなたも、撮影に訪れるか、でなければ「ぬれ煎餅」などを買って、少しでも銚子電鉄を盛り上げよう!
〈文・状況写真〉稲葉利二