ソニーグループは、フルサイズミラーレスカメラ“α”搭載可能機種で世界最小クラスとなるプロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」を発表した。発売時期は2021年9月予定。価格はオープンで、市場推定価格は110万円前後 (税込)。
ドローンに興味を持って最初に思うのは「自分のカメラを飛ばせないのかな?」だろう。搭載可能重量の問題があり、業務用の相当なパワーのドローンでなくては、デジタル一眼はほぼ搭載できない。民生用ドローンでは搭載カメラでの撮影が一般的だ。
しかし今回、ソニーが開発を進めてきたドローン「Airpeak」の第一弾として発表された「Airpeak S1」は、フルサイズミラーレスカメラ“α”搭載可能機種で世界最小クラスを実現している。
■αシリーズを搭載可能
「Airpeak S1」には、ジンバルを含めて総重量約2.5kgまでのカメラシステムが取り付け可能。α7Sシリーズや「FX3」搭載時はノイズを抑えた高い描写力、α7Rシリーズ搭載時なら高精細に、そしてα9シリーズでは歪みの少ない映像の撮影など、用途に合わせたαシステムが選択できるから、映像制作の幅と可能性が一挙に広がるはずだ。さらに、8K動画撮影が可能なフラッグシップモデル「α1」も搭載可能だ。
■アクセサリー
αシリーズを搭載できるGremsy社製のジンバル「T3 for Airpeak」(GBL-T3) も発売予定。
■専用アプリ
機体と機材を一元的に操作できるモバイルアプリ「Airpeak Flight」により、αの映像をリアルタイムに確認しながら機体やカメラ、ジンバルを操作できたり、Webアプリ「Airpeak Base」により、あたかも空中にレールを設置したかのように自動的に何度も機体を飛行させたり、過去に飛行したフライトログをもとに飛行ルート、ジンバルとカメラの動きを自動で再現させる、といった飛行も可能となっている。
■空撮の可能性を広げる1台
最高速度90km/h、最大20m/sの耐風性能、ソニー製イメージセンサーが内蔵されたステレオカメラを機体5方向 (前後左右下) に配置し、安定した飛行と高い操縦応答性を実現するなど、機体性能も相当に高そうだ。ソニーのαシステムが搭載できるドローンということで、空撮映像クリエイターの新たなベンチマークとなる可能性を秘めている。続報に期待しよう。
Airpeak S1 主な仕様
本体
外形寸法 (高さ×幅×奥行) 約526.8×591.9×511.8mm
対角寸法 約644.6mm (モーター対角 / プロペラを除く)
機体質量 約3.1kg (バッテリーパックを除く)
最大積載可能質量 約2.5kg
最大離陸質量 約7.0kg
最大速度 25m/s (90km/h) ペイロードなし、障害物ブレーキ無効時
運用限界高度 2500m (海抜からの高度 / 最大離陸重量時)
動作環境温度 −10〜40℃
最大飛行時間 約22分 (ペイロードなし時) / 約12分 (α7S III + FE 24mm F1.4 GM 搭載時)
最大伝送距離 2km (障害物や電波干渉がなく見通しがよい場合)
プロペラサイズ 17インチ
ランディングギア駆動 開閉式
FPVカメラ
イメージセンサー 1/4インチ 817万画素 CMOSセンサー
最大フレームレート 30fps
FOV DFOV 120°
ジンバル軸 2軸ジンバル (チルト、ロール)
搭載可能カメラ・レンズなど
カメラ ILCE-1、ILME-FX3、ILCE-7C、ILCE-9M2、ILCE-7SM3、ILCE-7RM4、ILCE-7RM3、ILCE-7M3、ILCE-9
レンズ SEL14F18GM、SEL20F18G、SEL24F14GM、SEL24F28G、SEL28F20、SEL35F28Z、SEL35F18F、SEL40F25G、SEL50F25G、SEL50F18F、SEL50M28、SEL55F18Z、SEL85F18
ジンバル GBL-T3 (Gremsy社製ジンバル)
〈文〉稲葉利二