三田崇博さんが、写真集『Pray for Myanmar』を上梓した。同名の写真展も、2020年8月26日よりポートレートギャラリーで開催される。
三田崇博さんが初めてミャンマーを訪れたのは2015年。それまではミャンマーに対して閉ざされたイメージを持っていたそうだが、世界遺産の撮影をライフワークとしている三田さんにとって、ピュー古代都市群の世界遺産登録が訪問の後押しとなった。
「自分の中のイメージはミャンマー到着1日目で覆りました。人々がとても穏やかで素朴で親切だったのです」
最初の訪問で主な観光地を巡り、そのときに知り合ったミャンマー人の友人を頼りに再び世界遺産のあるピイという町を訪れた。そこで繋がったボランティアの案内で山奥の集落へ。そこは水道も電気もない過酷な環境だった。
「都市部の発展とは対照的なこの村を数年かけて取材しました。その後はミャンマーの魅力を伝えようと、日本ではあまり知られていない景色や、ミャンマー全土で行なわれる光の祭り、伝統行事、人々の日常を撮影しています」
今年2月、ミャンマーでは国軍によるクーデターが発生し、混乱状態にある。三田さんは、写真を通して多くの人に関心を持ってもらいたいと語る。「一日も早く、この光景や人々の笑顔が戻ることを強く願っています」
三田崇博写真集「Pray for Myanmar」
三田崇博写真展「Pray for Myanmar」東京展
会期 2020年8月26日 (木) 〜9月1日 (水)
会場 ポートレートギャラリー
住所 東京都新宿区四谷1-7-12 日本写真会館5F
時間 10:00〜18:00 (土・日・祝日は11:00から 最終日は15:00まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ ポートレートギャラリー (TEL 03-3351-3002)
三田崇博 (Takahiro Sanda)
1975年、奈良県生駒市生まれ。現在までに100を超える国と地域で350か所以上の世界遺産の撮影を行ない、発表している。写真展は全国各地で100回を超える。ミャンマー訪問は12回。主な著書に『旅写真家が厳選した世界三十六景』『生駒の火祭り』がある。日本写真家協会(JPS)会員、FUJIFILM X-Photographer、アカデミーX講師。
〈文〉鬼沢幸江