ニコンミュージアムにて、企画展「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」がスタートしました。開催期間は2022年2月26日まで。
今も愛され続ける「F2」の多彩なバリエーション
フィルムカメラ「ニコン F2」は、1971年発売。高い信頼性と耐久性でメカニカルカメラの最高峰と評され、現在でも多くのカメラファンを魅了し続けています。企画展では「F2」誕生50周年を記念し、本体はもちろん、関連する品々も展示されます。
主な展示物
■ニコン F2 初号機 (1971年)
「F2」初号機。製品番号「7100001」が刻印されています。
■ニコン F2 チタン ウエムラスペシャル (1977年)
「F2 チタンウエムラスペシャル」は、冒険家の植村直己さんの依頼により製造された、耐寒・耐衝撃性能を強化したスペシャルモデル。植村さんとともに極地に挑んだ実機が、写真パネルや極地仕様テントのレプリカ、極地犬の実物大ぬいぐるみなどとともに展示されます。
■ニコン F2 データバック専用カメラ (1976年)
「F2」は、多くのアクセサリーと組み合わせられることも特長。スピードライトやモータードライブ、データバックなど、各種アクセサリーと組み合わせた約20点の「F2」も展示されます。データバック「MF-10」は、画面左端に撮影年月日やアナログ時計、手書きの文字を写し込むことができるという、画期的なシステムでした。
■ニコン F2 チタン (1978・1979年)
外装パーツをチタンに変更して耐久性を高めた「F2 チタン」は報道向けに開発され、その後一般販売も行われました。
知る人ぞ知る映画カメラ用レンズ「シネ・ニッコール」
「シネ・ニッコール (Cine NIKKOR)」とは、ニコン製の映画カメラ用レンズのこと。戦後、多数が米国に輸出されるなどしましたが、一眼レフカメラ用のニッコールレンズなどに比べると、その知名度は高くありません。今回の企画展では、そのような知られざる「シネ・ニッコール」にもスポットを当てて展示します。
主な展示物
■CiNe-Nikkor f=12.5 1:2.8 (1938年ごろ)
1938年ごろに初めて製作された映画撮影用レンズ。当時は軍需品の生産に追われており、量産・発売には至りませんでした。ちなみに、当時は社名がまだ「ニコン」ではなく「日本光学工業」でした。
■Cine-NIKKOR-REVERE C 1:1.9 f=13mm (1949年)
米国 Revere社の依頼で製作された8ミリシネカメラ用標準レンズの試作品。瓜生精機が生産した国産初の8ミリシネカメラ「Cinemax8」にも採用されています。
■CINE-ZOOM-NIKKOR 1:2.2 f=12~120mm (1963年)
海外製レンズに対抗して試作された10倍ズームの16mmシネカメラ用ズームレンズ。こちらも発売には至っていません。このレンズをフルサイズミラーレスカメラ「Z 7」に取り付けて撮影した動画の上映も行われます。50年以上前の高倍率ズームレンズの描写はいかに? ぜひ館内で確かめてみてください。
ニコンミュージアム企画展「ニコンF2誕生50周年と知られざるシネ・ニッコール」
会期 2021年8月31日 (火) 〜2022年2月26日 (土)
会場 ニコンミュージアム
住所 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟2F
時間 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜・日曜・祝日・12月30日〜1月4日
料金 無料
問い合わせ ニコンミュージアム (TEL 03-6433-3900)
〈文〉佐藤陽子