リコーイメージングは、コンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IIIx」を2021年10月上旬に発売する。35mm判換算で40mm相当の標準レンズを搭載したGRシリーズのニューモデルだ。価格はオープンで、予想価格は130,000円前後 (税込)。
<2021.9.19> 発売日が2021年10月1日に決定。
■40mm相当の標準レンズを搭載
「RICOH GR IIIx (ジーアールスリーエックス)」は、“最強のスナップシューター”にこだわったGRシリーズの基本コンセプトである高画質や速写性、携帯性を継承し、高性能化と薄型化を両立した新開発の「GR LENS 26.1mm F2.8」(35mm判換算40mm相当) を搭載。新たな視野での撮影を楽しみたいというユーザーの要望に応えて開発されたものだ。
GRシリーズのカメラは、フィルムカメラの時代から35mm判換算28mm相当の広角レンズ搭載してきた (「GR 21」を除く)。「GR IIIx」は、遠近感を強調しやすいこれまでのGRと異なり、パースペクティブが少なく自然な遠近感のスナップ撮影ができる。なお「GR IIIx」が発売されても「GR III」の発売は継続され、「GR IIIx」に搭載される多くの機能がファームアップで「GR III」にも対応予定となっている。
■新開発のGRレンズを採用
非球面レンズ2枚を採用した5群7枚構成の新たな光学系を採用し、ディストーションや色収差を極限に近いレベルまで抑制して高い解像力を実現した。さらに、逆光撮影時のゴーストやフレアの発生も低減する。
マクロ撮影時にはレンズ先端から最短12cmの撮影が可能で、背景のボケ味を生かした自然な遠近感での撮影が可能となっている。また、絞り2段分に相当する減光量のNDフィルターを内蔵した多段絞りユニットの搭載により、さまざまな被写体や撮影条件でコントラストが高く、解像性能に優れた描写を得ることができる。
絞り羽根は9枚羽根の虹彩絞りを採用し、開放付近では自然なボケ味による立体感のある描写が得られる。
■高画質性能
有効約2424万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載。GRレンズに最適化されたローパスフィルターレス仕様となっている点は「GR III」と同じ。光学ローパスフィルターと同様のモアレ軽減効果が得られる独自の「ローパスセレクター」機能を搭載している。露光中にイメージセンサーユニットをサブピクセル精度の微小駆動をさせるもので、効果のオン/オフや強弱の選択が可能だ。
画像処理エンジンは最新の「GR ENGINE 6」を搭載する。また、センサーからの画像情報を最適化する独自のアクセラレーターユニットを搭載しており、最高ISO感度102400でも優れた高感度性能を実現する。14bitのRAW記録にも対応した。
■高速・高精度ハイブリッドAF
オートフォーカスは、コントラストAFと像面位相差AFによるハイブリッド方式を採用。人物の顔・瞳検出が可能で、ピントを合わせた位置にAF枠が表示される。複数の人物の顔を検出した場合は、自動でメインの被写体とサブの被写体を判別して枠を表示し、タッチパネルの操作でメイン被写体を切り替えることができる。
■手ブレ補正機構SR
手ブレ補正機構「SR = Shake Reduction (シェイク リダクション)」を内蔵。ヨーとピッチの角度ブレと回転ブレの3軸に対して、4段の補正効果を実現する。さらにSR機構を利用した「自動水平補正」機能も備える。
■ボディ
幅約109.4×高さ約61.9×奥行き約35.2mm、質量約232g (本体のみ) と、「GR III」よりも厚さが2mm、重さは5gだけアップしているが、幅と高さは同じ。徹底的な小型化を追求し、GRの魅力の一つである気軽に持ち歩ける高い機動性を備えたボディを実現した。外装には、軽量で高剛性なマグネシウム合金を採用し、携帯時の信頼性を高めた。
背面の液晶モニターは、約103.7万ドットの3.0型液晶モニターを採用。タッチパネル操作が可能で、AF枠の移動やメニュー設定、再生時の画像拡大・送りなどを直感的に行うことができる。また、使用環境に合わせて明るさを素早く調整できるアウトドアモニター機能も搭載する。液晶モニター、液晶パネルと強化ガラス製保護カバーの隙間に特殊樹脂を充填したエアギャップレス構造となっており、光の乱反射を抑えて視認性を高めている。
■好みのテイストで画像を仕上げられる「イメージコントロール」
「イメージコントロール」は、従来の「画像設定」と「エフェクト」を統合した仕上がり調整機能で、基本となる11種類のイメージをベースに、彩度や色相、キー、コントラスト、粒状感、色調などのパラメーター調整を行なって、好みのテイストに仕上げることができる。調整した内容は、「カスタム」としてイメージコントロールに追加することが可能だ。
■カメラ内編集機能
カメラ内でRAW現像が可能となっており、各種パラメーター設定時のプレビュー時間も高速化されている。設定したパラメーターの継承が選択でき、一度現像した画像の微調整を効率よく行うことができるようになった。
JPEG画像の再生時の画質調整機能も進化。新たにカラー画像のモノトーン化が追加され、詳細設定で明るさやフィルター効果、調色、コントラスト、シャープネスの各パラメーターを細かく調整して、モノクロ画像に仕上げることができるようになった。
さらにトリミング設定で16:9や4:3のアスペクト比の選択や、0.1°ごとの画像回転ができ、カメラ内での作品作りがやりやすくなっている。
■Bluetoothと無線LANのデュアル通信
無線LAN通信機能を搭載しており、専用アプリケーション「Image Sync」を使用することで、スマートフォンへの画像転送、ライブビュー表示、各種設定変更、撮影などの遠隔操作が可能。転送する画像を自動で小さくするオートリサイズ機能にも対応し、SNSなどへの画像のアップロードも簡単にできるようになっている。さらに、Bluetoothにも対応。カメラの電源オフの状態からでもスマートフォンで画像の閲覧・転送をすることができ、スマートフォンの位置情報をカメラに送信して、画像に位置情報を記録することもできる。
■その他の機能
プログラムラインに「深度優先 (深い)」を追加。F11を優先的に選択するように設定されている。さらに星や月の光跡を風景と一緒に撮影できる「インターバル合成」機能、構図の傾きを客観的に確認できる電子水準器、再生時にモアレを軽減できる色モアレ補正機能などを搭載する。また、画面の中央部だけを使って撮影するクロップ機能により、50mm相当と71mm相当のクロップ撮影が可能となっている。動画撮影はフルHD (1920×1080 / 60fps) で、記録形式にH.264を採用している。
アクセサリー
■テレコンバージョンレンズ「GT-2」
レンズアダプター「GA-2」を使用して装着する「GR IIIx」専用のテレコンバージョンレンズ。アダプター装着時にはテレコンコンバージョンレンズを自動で検出し、クロップ機能との組み合わせで35mm判換算 約75mm相当になる。また、2段クロップで約107mm相当での撮影も可能だ。レンズアダプター「GA-2」は2021年10月上旬発売で6,820円、テレコンバージョンレンズ「GT-2」は2021年11月下旬発売で37,400円 (いずれも税込)。
■外部ミニファインダー「GV-3」
40mm相当のフレームが付いた「GR IIIx」専用の外付け光学ファインダー。縦横比1:1の撮影用マーク入り。ケースが付属する。発売は2021年10月上旬で、希望小売価格は37,400円 (税込)。
■リングキャップ
カメラをドレスアップする「GR IIIx」専用の交換用リングキャップ。本体にも同梱されるブラック「GN-2 (BK)」、「GR III」用も発売中のダークグレー「GN-2 (DG)」に加え、「GR IIIx」だけの新色となるブロンズ「GN-2 (BZ)」の3色をラインナップする。いずれも発売は2021年10月上旬、希望小売価格は各4,950円 (税込)。
■ソフトケース「GC-11」
「GR IIIx」「GR III」兼用の本革製ケース。ベルト通し付きで上蓋はマグネットタイプを採用する。発売は2021年10月上旬、希望小売価格は6,820円 (税込)。
■ソフトケース「GC-12」
バッグに入れて持ち運ぶときなどにカメラを保護する本革製ケース。使用しないときは小さくたたんで携帯できる。「GR IIIx」「GR III」兼用。発売は2021年10月上旬、希望小売価格は9,900円 (税込)。
RICOH GR IIIx 主な仕様
有効画素数 約2424万画素
撮像素子 23.5×15.6mm CMOSセンサー
レンズ [焦点距離] 26.1mm (35mm判換算 40mm相当) [レンズ構成] 5群7枚 (非球面レンズ2枚) [開放F値] F2.8~F16
ISO感度 ISO 100~102400
シャッター速度 1/4000~30秒、バルブタイマー、バルブ、タイム
画像モニター 3.0型 約103.7万ドット TFTカラー液晶モニター (静電容量方式タッチパネル)
記録媒体 内蔵メモリー約2GB、SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I対応)
幅×高さ×奥行き 約109.4×61.9×35.2mm (操作部材、突起部を除く)
質量 約232g (本体のみ) / 約262g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 充電式バッテリー DB-110、USB電源アダプター、電源プラグ、USBケーブル I-USB166、ハンドストラップ