今はスマートフォンで動画を簡単に撮れるうえ、通信回線で気軽に送れる。ホームムービーも8mmフィルムを使っていたなんて、デジタル世代は夢にも思わないだろう。そんな歴史を振り返る特別展「カメラと動画 −動画 126年の歴史−」が日本カメラ博物館で開かれる。
世界初の投影式映画機材「シネマトグラフ」がフランスで使われたのが1895 (明治28) 年。35mmフィルムを使い、撮影と映写を1台で行なうものだった。国産初の8mmムービーカメラは1954 (昭和29) 年の「シネマックス 8A」まで待たねばならない。製造は瓜生精機。
一般で8mmムービーが普及したのは、富士フイルムが1965 (昭和40) 年に発売した「フジカ シングル-8 P1」がきっかけだ。その後、キヤノン、小西六写真工業 (現コニカミノルタ) などが市場に参入した。ビデオ時代が到来すると、ビデオ方式のホームムービー市場が再燃。ソニーとビクターを筆頭に、各カメラメーカーも続々と製品を投入した。
本展ではアマチュア向けの機材を中心に、フィルム時代の動画機材から、特色ある動画機能を搭載したデジタルカメラを展示。「動画」の扱いがどのように変わってきたか、過去と現代の比較を交えて紹介する。
このほか、現存数が少ない円形フィルムに動画を記録し鑑賞する「スパイログラフ」や、16mmムービーカメラ「オーリコン プロ600 スペシャル」などさまざまなカメラが登場する。
主な展示予定品
- シネマトグラフ
- エジソン キネトスコープ
- シネコダック モデルA
- パテー ベビー
- シネマックス 8A
- オーリコン プロ600 スペシャル
- フジカ シングル-8 P1
- ポラビジョン ランドカメラ
- パナソニック メモリーカードカメラレコーダー AG-AF105
- キヤノン EOS C300
- スパイログラフ
- プラクシノスコープ シアター
日本カメラ博物館 特別展「カメラと動画 −動画 126年の歴史−」
会期 2021年10月19日 (火) 〜2022年1月30日 (日)
会場 日本カメラ博物館
住所 東京都千代田区一番町25 JCIIビル地下1階
時間 10:00〜17:00
休館日 月曜 (祝日の場合は翌日休館)、12月27日~1月4日
料金 一般300円、中学生以下無料
問い合わせ 日本カメラ博物館 (TEL 03-3263-7110)
〈文〉市井康延