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一枚一枚の写真に小説のような味わいがある。インスタで注目を集めた工藤正市写真集 『青森 1950-1962』

工藤正市写真集 『青森 1950-1962』が発売された。

工藤正市写真集 『青森 1950-1962』

■収録作品ギャラリー

 

戦争が終わり5年、平和が戻った青森で暮らす人々の日常を記録した写真集。工藤正市 (1929年〜2014年) の死後、家族がたくさんのネガを発見し、インスタグラムへ投稿。それが国内外から注目を集め、一冊にまとめられた。

青森市街と山里、浜や漁師たちの暮らしが収められているが、地域ごと風貌や服装が全く異なるのに驚く。工藤が何度も通った撮影エリアは、青森駅の南側を通る国道だ。多くの店が並び、人が集う。子どもから大人まで各々に味わいがあり、街並みに目が引き寄せられる。写真1点1点が掌編小説のようで、単行本の判型にマッチする。

 

工藤正市写真集 『青森 1950-1962』

A5判・432ページ
3,960円(税込)
2021年9月18日発売
みすず書房

 

〈文〉市井康延