書籍『藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ』が発売された。
広告を中心に幅広いジャンルで50年近く活躍を続ける藤井保と、同じく広告をホームグラウンドとして近年は映画の撮影も手がけ映像作家としても注目を集める瀧本幹也は師弟関係にあり、その付き合いは25年以上に及ぶ。
2019年春、このふたりが「二人展」の開催をギャラリーから依頼されたことをきっかけに始まったのが、「写真と言葉」による往復書簡だった。
展示に関することはもちろん、互いの日常の出来事から今の世の中に感じていること。そして、写真という仕事に対する想いまで。
様々な考えをメールでリアルタイムに交換・共有し、二年にわたってやり取りが続けられた。
そんななか、新型コロナウイルスの流行による展示の一旦延期や仕事環境の変化など、予期せぬ事態に見舞われ、それによってふたりの考えの違いも次第にあらわとなってきた。
本書では、その一部始終をありのままに収録。世代の異なるふたりの写真家が「今」という時代に向き合う姿を伝えている。
▽ギャラリー
著者プロフィール
藤井保(ふじいたもつ)
1949年、島根県大田市生まれ。写真家。
大阪宣伝研究所を経て、76年に藤井保写真事務所を設立。2021年に東京から石見銀山のある島根県大田市大森町へ拠点を移す。
主な展覧会:「南方熊楠」(田辺、和歌山/1990)、「月下海地空」(semina rerum チューリッヒ/1998)、「藤井保展・旅する写真」(銀座リクルートギャラリーG8&ガーディアンガーデン/2003)、「カムイミンタラ/神々の遊ぶ庭」(MA2 Gallery/2006)、「THE OUTLINE-見えていないデザイン-深澤直人、藤井保」(21_21デザインサイト/2009)、「BIRD SONG」(MA2 Gallery/2009)、「Naoto Fukasawa×Tamotsu Fujii “Medium”」(シュシュインスティトゥート、台湾/2013)、「TWO FOGGY ISLAND」(MA2 Gallery/2015)。写真集に「ESUMI」(リトルモア)「ニライカナイ」(リトルモア)、「A KA RI」(リトルモア)、「カムイミンタラ」(リトルモア)、深澤直人氏との共著「THE OUTLINE 見えていないデザイン」(ハースト婦人画報社)など。
瀧本幹也(たきもとみきや)
1974年、愛知県名古屋市生まれ。写真家。
94年より藤井保に師事、98年に瀧本幹也写真事務所を設立。独立後も06年より銀塩写真の表現を繋げていくGELATIN SILVER SESSIONの活動を共にする。
代表作に『BAUHAUS DESSAU MIKIYA TAKIMOTO』(2005) 、『SIGHTSEEING』(2007)、『LOUIS VUITTON FOREST』(2011)、『LAND SPACE』(2013)、『GRAIN OF LIGHT』(2014)、『海街diary』(2015)、『Le Corbusier』(2017)、『CROSSOVER』(2018)など。近年の個展では、『CHAOS』(Galerie Clementine de la Feronniere パリ 2018)、『CROSSOVER』(LAFORET MUSEUM 東京 2018)、『CHAOS 2020』(妙満寺 京都 2020)、また『建築×写真 ここのみに在る光』(東京都写真美術館 2018)、『隈研吾展』(東京国立近代美術館 2021)に参加。映画撮影も手がけ、是枝裕和監督『そして父になる』(2013)で、カンヌ国際映画祭コンペ部門審査員賞、『海街diary』(2015)で日本アカデミー最優秀撮影賞を、『三度目の殺人』(2017)ではヴェネツィア国際映画祭コンペ部門などを受賞。
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書籍情報
書名:藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ 2019年6月26日ー2021年8月19日
著者:藤井保、瀧本幹也
ブックデザイン:葛西薫
仕様:A5変形 上製(仮フランス装、天アンカット) 総144頁
定価:2,530円(税込)