フラワーアーティストの東信とボタニカル・フォトグラファーの椎木俊介が10年以上にわたって取り組んできた「植物図鑑」シリーズの第5巻が発売された。
本書制作に費やした2年間は、ちょうど人々がパンデミックに苛まれてきた同時期だったこともあり、「今、自分たちにできること、すべきことは、花を生け、人々に供することだ」と改めて確信し、制作したという。
本書内容紹介
受けつがれてきた美のかたち
いけばなの源流に敬意の念を表した《IKEBANA》シリーズ、また、要(かなめ)や核を意味する《PIVOT》シリーズは、要となった根元から先に行くほど広がる扇のような形状の作品群。
一つの起点からのびのびと枝葉を張りめぐらし、花開く姿に希望を表現した。
生命の「共生」の姿
ルーツの異なる花々をフラットに、等価に生けた《WHOLE》シリーズ。どんな高価な植物も、あるいは道端にささやかに咲く花も、その存在価値は等しいという考えから作品を制作。
《AUTOGENESIS》シリーズは、多種多様な植物の共同体が、まるで一つの生命体となって強烈な生気を吐いているイメージがテーマの作品だ。《FLOCK》が意味する「群れ」とは、個体が身を守るために集合体をつくる生存本能のあり方を表現しているとのこと。
また、5巻目の本作はよりダイナミックに作品を体感できるように、前作よりデザインを一新。
サイズがひと回り大きくなり、限りなく水平にページが開く製本方法が採用された。
東信(あずま・まこと)プロフィール
フラワーアーティスト。ニューヨークでの個展を皮切りに、ヨーロッパを中心に実験的な作品を数多く発表するほか、2009年より実験的植物集団「東信、花樹研究所(AMKK)」を立ち上げ、世界各地で作品発表を重ねる。独自の視点から植物の美を追求し続けている。
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椎木俊介(しいのき・しゅんすけ)プロフィール
ボタニカル・フォトグラファー。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と姿かたちを変容させる生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。
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書誌情報
発売:2021年12月19日
書名:Encyclopedia of Flowers 植物図鑑V
著者:東 信
写真:椎木俊介
アートデレクション:原研哉
製本:クータバインディング上製本
判型:A4変形( H297 × W225 mm)
総頁:288頁
定価:4,950円(税込)
図版数:カラー図版220点以上
植物名リスト付き