中藤毅彦さんが写真集『PARIS 2011-2019』を上梓した。
■収録作品ギャラリー
中藤さんは30年来、世界各国の都市を歩き、モノクロームでスナップし続けてきた。東欧、ロシア、キューバなどを巡り、最も惹かれたのがパリだという。100年前の建物が残る街並みや、ファッショナブルなライフスタイルをイメージするかもしれないが、中藤さんが捉えたのは、多様な人種が混在して生きる街の混沌さと、地場のように存在する生命のエネルギーだ。
2019年に訪れた際は、仏政府に多くの市民が抗議したジレジョーヌ運動に居合わせた。その光景はかつての百年戦争のようである。そんな時空を超えたイメージをも想起させるのは、街の持つ力だろうか。
中藤毅彦『PARIS 2011-2019』
体裁 A4判変型・120ページ
価格 3,850円(税込)
発売日 2021年11月
発行 ギャラリー・ニエプス
※書店での流通はありません。問い合わせはギャラリー・ニエプスへ。
中藤毅彦 (Takehiko Nakafuji)
1970年、東京生まれ。早稲田大学第一文学部中退。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。ギャラリー・ニエプス代表。国内外各地を取材し、都市のスナップショットを中心に作品を発表し続けている。写真集に『White Noise』『STREET RAMBLER』『Paris』ほか多数。国内外で個展、グループ展多数。第24回林忠彦賞、第29回東川特別作家賞受賞。東京都写真美術館、清里フォトミュージアム、周南市美術博物館にパーマネントコレクション。
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〈文〉市井康延