「GR III」のコンパクトボディはそのままに、約40mm相当のレンズを搭載し、新しいスナップ表現が楽しめるコンパクトデジタルカメラ「RICOH GR IIIx」。“最強のスナップシューター”にこだわったGRシリーズの標準レンズ搭載モデルは、ポートレートにも強くなっていた。
標準レンズを搭載したスナップシューターは日常を自然に切り取る
GRシリーズといえば2005年発売の初号機以来、デジタルでは一貫して28mm相当のレンズを搭載してきた。それが突然発表された本機では40mm相当を採用。広い画角と強い遠近感が特徴だった今までのGRと違い、ごく自然に目の前の光景を切り取れる。
「GR III」の外観デザインをそのまま踏襲
デザインや操作系は「GR III」とまったく同じで、レンズ部分が2mm出っ張っていることと、銘板の焦点距離の表記だけが異なる。似すぎていて併用すると戸惑うかもしれない。
定評のあるキレ味にボケの楽しさが加わった
写りに関してはこれぞGRというキレ味を見せるが、焦点距離が伸びたことで従来機よりボケも目立つようになった。そのボケ味も良好で、この画質がポケットに収まるカメラで撮れるというのは唯一無二の魅力だといえる。
GRならではの高い近接能力で描く
最短撮影距離はレンズ先端から20cm。マクロモードに切り替えれば12cmと、もはやマクロレンズの領域だ。絞り開放からキレとボケ味を高次元で両立している。
多彩な仕上がり設定ももちろん健在
絵作りをつかさどるイメージコントロールは「スタンダード」や、この写真の「クロスプロセス」をはじめ11項目。RAWで撮影しておけば、カメラ内現像で後から選択することもできる。
顔/瞳AFがポートレート撮影をサポート
操作系も「GR III」と変わらないが、顔および瞳を検出するAFが加わった。標準レンズが搭載され、より一層スナップポートレートに適したカメラとなっている。なおファームアップで「GR III」にもこの機能を追加できる。
40mm相当の自然な遠近感が心地よい
前ボケが入る状況では顔/瞳検出AFの恩恵を感じた。ボケ味も前後とも非常に素直だ。遠近感がナチュラルで、前ボケや背景を生かした構図も作りやすい。
RICOH GR IIIx
発売日 2021年10月1日
希望小売価格 129,800円 (税込)
撮像素子 有効約2424万画素 APS-CサイズCMOSセンサー
レンズ 26.1mm (35mm判換算 40mm相当) F2.8
画像処理エンジン GR ENGINE 6
ISO感度 ISO 100~102400
AFシステム 像面位相差とコントラストによるハイブリッド方式
シャッター速度 1/4000~30秒、バルブタイマー、バルブ、タイム
手ブレ補正 撮像素子シフト方式 (3軸4段)
画像モニター 3.0型 約103.7万ドット TFTカラー液晶モニター (静電容量方式タッチパネル)
幅×高さ×奥行き 約109.4×61.9×35.2mm (操作部材、突起部を除く)
質量 約232g (本体のみ) / 約262g (バッテリー、メモリーカードを含む)
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。