ファイヤーワークスが、フィルムカメラとiPhoneを合体させてデジタルカメラのようにするためのガジェット「DiGi SWAP」(デジスワップ) を発表。カメラと写真映像のワールドプレミアショーCP+2022の主催者プログラム「これをお見せするはずでした! 新製品トーク駅伝」にて、製品紹介が行われました。
【ファイヤーワークス】フィルムカメラの操作感はそのまま、デジタル画像をiPhoneに保存できる「デジスワップ」
「デジスワップ」は、フィルムカメラの裏ブタを外し、そこに専用アプリをインストールしたiPhoneを取り付けることで、フィルムなしで撮影ができるようにするためのガジェット。裏ブタを取り外すことができる35mmフィルムカメラおよびiPhone (X / XS / 11 / 11 Pro / 12 / 12 Pro / 13 / 13 Pro) に対応します。
メインパーツはアルミ製。カメラの三脚ネジを利用して取り付けます。三脚ネジの台座がスライド式になっており、さまざまなカメラに対応可能。ただし、ライカMシリーズには別売りの専用アダプターが必要になります。
「新製品トーク駅伝」では、装着の実演も行われました。カメラの裏ブタを外す以外は改造する必要もなく、簡単に取り付けることができます。
専用アプリにて静止画と動画を選択可能。静止画の場合は、カメラのシャッターを切るとアプリが連動してiPhone内に画像が保存されます。
ピント合わせとフレーミングはファインダーを覗いて行います。ただ、目とファインダーの間に距離ができてしまうため、撮影には少々コツがいりそう…。そこは、フィルムと違って撮影画像をその場ですぐにチェックできますので、何度かチャレンジしてみるのがいいかもしれません。
絞りやシャッタースピードといった露出設定も、カメラ側で操作します。アプリでは感度の設定のみ可能です。
動画は、カメラのシャッタースピードをB (バルブ) に設定し、シャッターを押し続けることで撮影されます。
「新製品トーク駅伝」では、「あえて、難しい。しかし、アート」といったキャッチフレーズも披露されました。iPhoneでそのまま撮影するよりも手間がかかり、手ブレ補正もなく、露出設定も必要といった具合に撮影者には技術が要求されますが、それもまた一興ということ。巻き上げレバーを回してシャッターを切るという、往年のカメラの操作感を堪能できるうえ、レンズごとの個性的な描写も魅力的。ビンテージレンズの描写を生かした動画撮影なども手軽にできそうです。
使われなくなったものを生まれ変わらせる「アップサイクル」、さらに「ソーシャルプロジェクト」を意識しているというのも、このガジェットの特徴のひとつです。ファイヤーワークス代表取締役の小森さんは、長年写真店を営んでおり、使われなくなったフィルムカメラがもったいないと感じていたとのこと。そこで、多くの人が使っているiPhoneを組み合わせてデジタル化できないかと考え、「デジスワップ」を開発したそうです。iPhoneを使うことで部品数も少なく済み、安価に抑えられるといったメリットも。フィルム代の節約や現像時間のカット、さらにはSNSへの投稿や共有が簡単になるのもうれしいですね。
クラウドファンディングを実施予定
クラウドファンディングサイトのKickstarterにて、2022年4月中旬に「DiGi SWAP」の販売プロジェクトが実施される予定です。価格は、本体と専用アプリで2万円台後半を予定しているとのこと。また、中判カメラ用アダプターと専用アプリも開発中だそうです。
「これをお見せするはずでした! 新製品トーク駅伝」はアーカイブ配信中。CP+2022公式サイトのプログラム → 2/23 (水) から視聴できます。
〈文〉佐藤陽子