鳥海早喜さんの著書『新興写真の先駆者 金丸重嶺』が発売された。
■内容をチラ見できます
金丸重嶺 (かなまる しげね) は日本大学の初代芸術学部長に就き、日本の写真教育をはじめ、写真評論で大きな功績を果たした。しかし、これまで彼の活動や功績を記した文献は少なく、本書がその嚆矢 (こうし) となる。
金丸は会社員から写真家に転じ、商業写真分野で活動を始める。その一方で、引き伸ばした遺影写真を飾る習慣がなかった時代に、その提案を行なうなど商才に長けた面もあったようだ。ベルリンオリンピックの取材 (約5か月間の長旅) ではマン・レイやブラッサイ、ロバート・キャパなどと会い、これからの写真について語り合っている。
本書では彼の生涯をたどり、写真家としての活動と教育者として果たした功績をつまびらかにしていく。当時の記録や金丸が撮った広告写真など、多くの写真資料も興味深い。
鳥海早喜『新興写真の先駆者 金丸重嶺』
体裁 A5判・376ページ
価格 3,520円(税込)
発売日 2021年12月20日
発行元 国書刊行会
〈文〉市井康延