ケンコー・トキナーは、韓国・SAMYANG (サムヤン) の大口径望遠レンズ「AF 135mm F1.8 FE」を2022年5月27日に発売した。マウントはソニーEマウント。価格はオープンで、参考価格は134,000円 (税込) 。
SAMYANGは、1972年に韓国で創業したレンズメーカー。2022年は創業50周年にあたり、これを記念する意味も含め、同社の技術の粋を集めて作られたレンズがフルサイズ対応の「AF 135mm F1.8 FE」。135mmレンズには、MFの「135mm F2.0 ED UMC」がすでにあるが、ソニーEマウント向けのレンズとして、光学系の刷新とAF化が図られた。
■光学性能
レンズ構成は6枚の特殊レンズを含む11群13枚。3枚の超低分散ガラス (ED) は色収差と色にじみを抑えることで高解像を実現。これに高屈折ガラス (HR) 2枚と超精密非球面レンズ (U-ASP) 1枚が加わることで、画面周辺部まで高いシャープネスとコントラストを持つ均質な描写を得た。
また、超精密非球面レンズは自然なボケ描写にも寄与している。さらに開放F1.8から得られる強いボケ効果を生かして、ポートレート撮影に取り組むことができる。
■AF性能
リニアステッピングモーター (Linear STM) を採用。正確で高速かつ静かなAFを実現し、動画撮影時にも滑らかにAFを駆動する。フォーカスブリージングを最小化する光学設計もされており、ピント位置が移動しても画角があまり変化しない。ソニーの瞳AFにも対応し、オン/オフの切り換えをフォーカスホールドボタンで行うことも可能。
■軽量化された鏡筒
他社の大口径135mmレンズが1kg前後の重量を持つのに対し、本レンズは大幅な軽量化が図られ、約772ｇを実現。可動部とマウント部には水の浸入を防ぐウェザーシーリングを施し、防塵・防滴性能を持つ。
■カスタマイズ可能なスイッチを装備
レンズ側面のカスタムスイッチ (モード1と2の設定が可能) により、フォーカスリングに絞り設定の機能などを割り当てることができる。このカスタムスイッチへの機能の割り当ては、今後、ファームウェアのアップデート (別売のレンズステーションが必要となる) を通じて、追加される予定。
また、効率よくピント合わせを行うために測距範囲を制限するフォーカス範囲リミッタースイッチも搭載。近距離モードでは0.69〜2ｍ、遠距離モードでは1.5ｍ〜無限遠の範囲内でAFが働く。
■アストロフォーカスモードを搭載
フォーカスホールドボタンはAFロックをかける際に使う標準設定に加え、ソニーのカメラから瞳AFのオン/オフ切り換えの機能を割り当てることができる。さらに、「アストロフォーカスモード」時には、フォーカスホールドボタンを押すだけで、カメラの設定はMFになり、無限遠の位置にフォーカスが移動して、天体撮影をスムーズに行うことができるようになる。このモードの設定状態はボタンのマウント寄りに埋め込まれたLEDランプの点灯によって確認できる。
SAMYANG AF 135mm F1.8 FE 主な仕様
マウント ソニーEマウント
焦点距離 135mm
開放絞り F1.8
最小絞り F22
レンズ構成 11群13枚
画角 18.9° (APS-Cカメラ装着時は12.5°)
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.69m
最大撮影倍率 0.243倍
フィルター径 φ82mm
最大径×長さ φ93.4×129.6mm
質量 772ｇ
付属品 レンズフード