機材レポート

水辺で野鳥のリアルに迫る!写真家・水中伸浩がレビューするLeofoto防水カーボン三脚の“魅力”とは

美しさだけでなく、堅牢性に優れた防水カーボン三脚「LP-324C」。防水ロックシステムとローアングル撮影のしやすさが水辺の野鳥撮影をサポートする。そんな注目の三脚を野鳥写真家の水中伸浩さんが実際に使用した感想をお届けする。

Leofoto LP-324C

[希望小売価格] 74,800円(税込)
[伸長] 1,300mm  [最大パイプ径] 32mm [最低高] 70mm [耐荷重] 15kg [収納高] 495mm [重量] 1,440g [段数] 4段

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川に三脚を設置しシャッターチャンスを狙う

美しい渓流沿いのミソサザイ。カメラを低くして凛々しさを強調し、木漏れ日が作り出す玉ボケをアクセントとした。観察をして必ずここに止まると確信したうえで川に三脚を設置。アングルを追い込み、ミソサザイが来るのを待って撮影した。


キヤノン EOS-1D X MarkII EF600mm F4L IS II USM 絞り優先オート F4 1/640秒 ISO500 WB:オート 京都市

ネイチャーフォトに必要な細かな操作性

野鳥撮影の中でも特に水辺で撮影することが多い僕にとって、防水三脚は願ってもないアイテムだ。これまでは三脚を川に持ち込むと、内部が水浸しになっている点が気になっていた。

ポセイドンシリーズはロックシステムが防水パーツになったことで、水辺はもちろん、どっぷりと水につかっての撮影でも心強い。ロックナットは滑り止めマットと一体化され、濡れた手で操作しても使いやすい。ネイチャーフォトでは、こうした細かな操作性の向上が大きく結果を左右する。また、石突周辺のパーツが耐食性の高いチタン合金になったことで、海辺で波を浴びるような撮影でも安心だ。

いつもとは違った“臨場感”

地上性の野鳥撮影では鳥の目線にカメラの高さを合わせることが多い。そんなときにもセンターポールの干渉がなく素早く開脚できるので、俯瞰撮影とはまったく違った臨場感を加味することができる。今回は雲台に「VH–30R」を使用したが、超望遠レンズによる野鳥撮影に適した組み合わせだ。

視覚的には全段ブルーという脚の美しさが持つ喜びを感じさせてくれるが、実はこのブルー塗装は、美しいだけではなく水や傷にも強くなっており、三脚へのダメージを軽減する効果もあるのだ。過酷な条件やローポジションでの撮影が多いネイチャーフォトに、うってつけの三脚である。

野鳥撮影に使いやすい軽量 2ウェイ雲台


静かに鳥の動きを追いつつ構図を追い込むような撮影には、ティルト方向のトルク調節とロックが手軽にできる「VH-30R」が使いやすい。今回はレベリングベース「LB-60N」と組み合わせて使用した。

メンテナンス性に優れた防水ロックシステム


水中や砂地での撮影後は脚を分解清掃することもある。ポセイドンシリーズは抜け止めや回転防止パーツが脚と一体化しているため、パーツを元に戻せなくなるようなトラブルがなく安心だ。

素早くローポジションに対応できる防水三脚


センターポールがないので素早く開脚できるのがありがたい。開脚角度はなんと85度!これなら川底を歩く野鳥や地上性の野鳥を、より低いアングルから狙うことができる。

ゴイサギと水の造形をローポジションから捉える

背景は水の壁、ゴイサギの眼前には波による水の造形、そして手前には大きくせり上がり煌めく水。ここでの水は脇役ではなく、ゴイサギと並ぶ立派な主役だ。水を気にせず低いポジションから狙えるからこその臨場感と奥行きである。


オリンパス OM-D E-M1X M.ZUIKO DIGITAL ED 40~150mm F2.8PRO + MC-14 シャッタースピード 優先オート 1/2500秒 絞りF4.5 ISO200 WB:オート 京都市

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水中伸浩 (Nobuhiro Mizunaka)

地元・京都のフィールドを中心に、1種の鳥と数か月向き合う長期撮影を基本スタイルとし、「生息環境を取り入れた美しい写真」をテーマに野鳥撮影を続けている。2021年には史上初!?ゴイサギだけの写真集『#ゴイサギはいいぞ』を出版。
→WEBサイトはこちら

 

〈文・写真〉水中伸浩
〈協力〉株式会社ワイドトレード