マルミ光機は、写真家の鈴木さや香さんとの共同開発による超個性派フィルター「アルプスパンチ!」と「なついろパンチ!」の2製品を2022年7月14日に発売した。フィルターサイズは、46〜67mmの6サイズ。価格はオープン。
「アルプスパンチ!」と「なついろパンチ!」は、「解像度のいらない世界へ」というコンセプトに基づき、にじみが強く、ぼやっとした描写を楽しめるというユニークなフィルター。2022年4月15日から、鈴木さや香さんが運営するAtelier Piccolo (アトリエピッコロ)において数量限定で先行販売されていたが、今回、市販されることが決まった。
解像度が落ちて、強いにじみで輪郭や光がはっきりとした像として写らないこと、フレアやゴーストが出やすいこと、ホワイトバランスを変えることで色味が大きく変わることが、2つのフィルターの共通点となる。
アルプスパンチ!
マゼンタ色に強く反射する特殊なコーティング (Vコート)を、2枚のガラスの表裏、計4面に施すことで、緑や暖色系の色味を強調して、マゼンタ色のゴーストを出やすくしている。この2枚のガラスの間には意図的に空間が設けられ、ガラスの内面反射によるゴーストやフレア、パープルフリンジに似た効果が得られる。広角レンズ使用時には、光の入射角度によって、オールドレンズの周辺減光に似た効果も得られる。
ホワイトバランスがオートの場合は、やや青緑っぽい色味となり、太陽光に合わせる (5000K前後) と緑色が強く、日陰に合わせる (7500K前後) と橙色と緑色が強く出る。
なお、製品名の「アルプス」は、マルミ光機の工場からよく見える南アルプスや中央アルプスの山々の色をイメージしたもの。
フィルターサイズは、46〜67mmの6サイズ。参考価格は46mmが6,860円 (税込)、49mmが7,200円 (税込)、52mmが7,310円 (税込)、55mmが7,420円 (税込)、58mmが8,080円 (税込)、67mmが9,310円 (税込)。
なついろパンチ!
特殊な透過率特性を持つ色ガラスを使って青味を強調し、これを2枚のソフトフィルターでサンドイッチする構造をとっている。3枚のガラスにはあえて反射防止コーティングを施さず、ゴーストやフレアの発生を抑えていない。こうした設計により、白く抜けてしまいがちな逆光時の夏空や白い雲をしっかりと描写する。画像は全体的に青色基調になり、ホワイトバランスの設定次第で、色調の変化を楽しむことができる。
ホワイトバランスがオートの場合は、やや青っぽい色味となり、太陽光に合わせる (5000K前後) と水色が強く出る。日陰に合わせる (7500K前後) とシアンの色味が強く出る。
なお、「アルプスパンチ!」に比べ、ゴースト・フレアが柔らかで、発色が落ち着いている。
フィルターサイズは、46〜67mmの6サイズ。参考価格は46mmが7,750円 (税込)、49mmが8,080円 (税込)、52mmが8,310円 (税込)、55mmが8,530円 (税込)、58mmが9,420円 (税込)、67mmが11,970円 (税込)。
「アルプスパンチ!」「なついろパンチ!」を使用して撮影した鈴木さや香さんの作品はこちらから。
新発想のフィルターで柔らかくレトロに描写した 鈴木さや香写真展「なつのうたたね みどりのハナウタ」