最近、街で「ガチャ」ことカプセルトイの販売機 (回すとオモチャのカプセルが出てくるアレね) を見かける機会が増えていないだろうか? これもコロナ禍の影響らしい。ところで今、一部で密かに話題を呼んでいるガチャがあるのをご存知だろうか? その名も「赤の他人の証明写真」ガチャ。見知らぬ他人の証明写真が入っているという謎??? のガチャだ。
「赤の他人の証明写真」は、クリエイターの寺井広樹さんが企画したオリジナルガチャ。寺井さんは、千葉県銚子市を走る銚子電鉄の救済企画「銚電マンシール」などユニークな企画の考案者だ。コロナ禍でマスクがあたりまえの生活になり、他人の素顔を見る機会が減ったこと、一方でSNSなどでの過剰に盛られた写真が多いしんどさから、「素」の人の顔を見てぬくもりを感じてほしくて企画したそうだ。
誰が買うんだ? と誰もが思うこの企画。実際販売してみると意外や大人気だそうで、すでに第2弾も発売中。
厳選された絶妙な表情の登場人物が各10人。写真は1枚1枚手作業で切られるなど、意外と手間がかかっている。「誰やねん!」と突っ込んでから、「この人、いったいどんな仕事をして、どんな人生歩んできたんだろう?」などと、遠い目をして想像力を働かせてみてはいかがだろうか?
現在は、東京・神楽坂の「PEANUTS CLUB」、埼玉県川越市と群馬県高崎市の「万代書店」前で販売中。1回300円。ぬくもりを手に入れたい人は行ってみよう。
〈文〉稲葉利二