Xシリーズのイメージセンサーに最適化された光学設計を採用し、マクロ域から遠景まで高画質を追求した標準MFマクロレンズが登場した。富士フイルムの情報開示により、スムーズな操作性を実現したXマウントレンズ「フォクトレンダー MACRO APO-ULTRON 35mm F2」の実力に迫る。
高画質を追求したコンパクトな標準マクロ
フォクトレンダー初のXマウント用標準マクロレンズが発売された。オール金属の鏡筒は、高い質感で高級感がある。しかもコンパクトで、小型の「X-E4」に装着してもよく似合う。
ピントはMF専用。マクロレンズなので回転角は大きいが、ダルさはなく、どの距離でもスムーズなピント合わせが行なえる。また、電子接点を持つため、Exif情報やボディ内手ブレ補正などに対応。絞りリングは程よいクリック感で、快適な操作が楽しめる。
背景の自然なボケが主役の花を際立たせる
撮影倍率0.5倍の最短撮影距離で撮影。ピントを合わせた虫の頭部はにじみもなくシャープだ。花びらのボケは形が崩れず、背景も自然なボケが得られた。本格的な近接撮影ができる標準レンズとして幅広いシーンで活用できる。
富士フイルムXシリーズの各種情報を活用
電子接点を装備し、Exif情報やボディ内手ブレ補正などに対応する。また「X-Pro3」ではOVF時のパララックス補正も可能だ。ピントはMF専用だが、それ以外は純正レンズのように扱える。
絞り値に関わらずシャープに描く
フロント4群6枚を繰り出すフォーカス方式とアポクロマート設計を採用した描写は、最短から無限遠まで、どの絞り値でもシャープだ。周辺光量低下も絞り開放でわずかに見られる程度。スナップからネイチャー、ポートレート、テーブルフォトまで、幅広いシーンで優れた性能を発揮する。
クリアで解像力の高い遠景描写を実現
飛行機の位置を意識しながらシャッターを切った。建物の窓枠などを見ると、解像力の高さがわかる。またビルに強い西日が反射しているが、ゴーストやフレアの発生もなかった。厳しい光線状態でも安心して使えるレンズだ。
伸長を短くできるフロントフォーカスを採用
フォーカス方式は撮影距離が短くなるほど鏡筒が伸びる繰り出し式だが、フロントフォーカス方式の採用によりコンパクトさを維持している。レンズフードも一体感のあるデザインだ。
アポクロマート設計で色収差を良好に補正
レンズ構成は6群9枚。そのうち異常部分分散ガラスを3枚使用し、アポクロマート設計にすることで、どの撮影距離でも色にじみがなく、高い解像力を発揮する。
フォクトレンダー MACRO APO-ULTRON 35mm F2 X-mount
発売日 2022年8月8日
参考価格 96,800円 (税込)
マウント 富士フイルムXマウント
レンズ構成 6群9枚
絞り羽根 10枚
最短撮影距離 0.163m
最大撮影倍率 0.5倍
フィルター径 φ49mm
最大径×全長 φ60.7×54.8mm
質量 265g
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。