小林のりおさんの写真集『Cluster of Dreams』が発売された。
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「風景の向こう側にある不可視の何かを想定して撮影する」と、小林さんはあるインタビューで答えている。秋田出身の彼にとって雪は身近なもので、還暦を過ぎてこの被写体を撮り始めた。そのほとんどが土埃で汚れ、溶けゆく姿だ。降り積もった場所に応じた形を取りながら、存在を消していく。
タイトルは「夢の塊」の意。巻末に写真研究者の笠間悠貴さんによる「小林のりお論」を収載。
小林のりお写真集『Cluster of Dreams』
体裁 B4判変型・112ページ
価格 4,400円(税込)
発売日 2023年1月26日
発行 武蔵野美術大学出版局
小林のりお (Norio Kobayashi)
1952年、秋田県大館市生まれ。写真好きだった父の影響で9歳から写真を始める。日本歯科大学歯学部中退、東京綜合写真専門学校・研究科卒業。1975年より現在まで、個展、企画展を国内外で多数開催。1987年、写真集『LANDSCAPES』で日本写真協会新人賞受賞。1993年、写真集『FIRST LIGHT』で木村伊兵衛賞受賞。フリーランス写真家として活動するかたわら、東京綜合写真専門学校、日本写真芸術専門学校、東京造形大学、東北芸術工科大学、武蔵野美術大学などで非常勤講師を務め、2007年に武蔵野美術大学映像学科教授就任、23年3月退任。
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〈文〉市井康延