ケンコー・トキナーは、韓国 SAMYANG (サムヤン) の大口径ズームレンズ「AF 35-150mm F2-2.8 FE」を2023年5月26日に発売した。マウントはソニーEマウント。価格はオープン。参考価格は183,000円 (税込)。
「サムヤン AF 35-150mm F2-2.8 FE」は、フルサイズセンサー対応のソニーEマウント用大口径ズームレンズ。広角35mmから望遠150mmまでの幅広い焦点域をカバーしつつ、開放F値が広角端でF2、望遠端でF2.8と非常に明るいことが大きな特長。“明るい万能ズーム” をコンセプトに設計されている。
■特殊レンズを使用した光学設計
レンズ構成は18群21枚。非球面 (ASP) レンズ2枚、ハイブリッド非球面 (H-ASP) レンズ1枚、高屈折 (HR) レンズ3枚、超低分散 (ED) レンズ6枚を効果的に配置した最新の光学設計により、広角から望遠までズーム全域で優れた解像力を発揮。画像の中心から周辺部まで全領域でシャープな描写が得られる。また、独自のUMC (ウルトラマルチコーティング) により、フレアやゴーストを抑えている。
■開放F2-2.8の大口径
開放F値は35〜40mmでF2、40〜60mmでF2.2、60〜80mmでF2.5、80〜150mmでF2.8。ズーム全域で美しく柔らかなボケ味が得られる。9枚の絞り羽根が描く自然なボケや光芒が、雰囲気のある画像や映像を作り出す。開放F値が小さいことは、暗いシーンでもISO感度を上げることが減り、速いシャッタースピードを使えるというメリットにもなっている。
■高速・高精度なAF
独自のリニアステッピングモーター (Linear STM) を採用し、高速・高精度で静かなAF性能を持つ。被写体への正確かつ迅速な追尾はもちろん、静音性に優れており、動画撮影時にもスムーズに動作する。ハイブリッドAF、瞳AF、DMF、AFアシストなどのソニーαシリーズのAF機能にも対応する。
最短撮影距離は、広角端で0.33m、望遠端で0.85mと、ズーム比の高いレンズとしては短め。被写体に近づくことができ、クローズアップ撮影を楽しむことができる。
■カスタマイズ可能なスイッチを装備
「サムヤン AF 35-150mm F2-2.8 FE」は、ズームリング、フォーカスリングの間に、いくつかのスイッチとボタンが設けられている。1つは「AF/MFスイッチ」。AFとMFを瞬時に切り換えるもの。2つめは「カスタムスイッチ」。3つのポジションがあり、初期設定 (AF時) では、モード1 (M1) はフォーカシング操作、モード2 (M2) は「プリセット絞り機能」の設定となっている。モード3 (M3) はMF時に使用するDolly Shot (ドリーショット)。ズームしてもピントが固定されるもので、動画撮影時に効果を発揮する。
3つめが「フォーカスホールドボタン」。AF時に「フォーカスホールドボタン」を押すとピント位置を固定することが可能。また、カメラ側の設定により、「瞳AF」のON/OFFなどを割り当てることもできる。
■ツヤ消し塗装で落ち着いた雰囲気
外観のデザインは、サムヤン第2世代AFレンズのものを踏襲。マットな仕上げのブラック塗装と鏡筒前面にわずかに見える赤いリング「Hidden Red Ring」がモダンで、高級感を感じさせる。
フォーカスリングの滑り止めにはマイクロパターンのラバーを使用。汚れの付着を抑えつつ、高いグリップ力を実現。また、合計11ヵ所にウェザーシーリングを施し、小雨や雪、ホコリの侵入を防いでくれる。
<作例>
SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 FE 主な仕様
マウント ソニーEマウント
焦点距離 35〜150mm
開放絞り F2〜2.8
最小絞り F16〜22
レンズ構成 18群21枚 (ASPレンズ2枚、H-ASPレンズ1枚、HRレンズ3枚、EDレンズ6枚)
画角 16.4°〜61.8°(フルサイズ)、11.0°〜43.3°(APS-C)
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.33m (35mm) 〜0.85m (150mm)
最大撮影倍率 0.175倍 (35mm) 〜0.18倍 (150mm)
フィルター径 82mm
最大径×長さ φ92.8×157.4〜197.9mm
質量 1,231g
付属品 専用レンズフード、フロントキャップ、リアキャップ