ソニーは、スマートフォン「Xperia 1 V (エクスペリア ワン マークファイブ)」を発表した。先日行われたXperia新製品体験会での感想を交えて紹介しよう。
2019年に生まれた「Xperia 1」は、「Xperia」シリーズのフラッグシップモデル。今回はついに第5世代機となる。映像クリエイターのハイレベルなニーズも考慮。さらに、これから本格的に映像制作や発信を行いたいと考える未来のクリエイターに向けたハイスペックな製品となっている。
キャリア向けモデルは2023年6月中旬以降に発売予定。auが210,240円 (税込) となる。NTTドコモ、ソフトバンクは6月1日現在で価格未定。SIMフリーモデルは2023年7月下旬以降に発売予定。市場価格は195,000円前後 (税込) を想定している。
■デザイン
デザインやサイズは、前モデルの「Xperia 1 IV」をほぼ踏襲。ボディサイズは幅約71×高さ約165×厚さ約8.3mm、重量は約187gとなる。背面に細かなテクスチャーを施したフロスト強化ガラスを採用。フラッグシップらしい高い質感を実現し、手に持っても滑りにくく、撮影でも安心だ。
■カメラ
メインカメラはトリプルカメラを搭載。焦点距離24mm相当の広角カメラを挟んで、有効約1200万画素の超広角カメラ (焦点距離16mm相当)、85~125mmの光学ズームが可能な有効約1200万画素の望遠カメラが縦に並んでいる。「ZEISS T*」の文字が誇らしげだ。
■センサー
24mm広角カメラには、前機種比で約1.7倍にセンサーサイズを大判化した、1/1.35型の新開発2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」を搭載している。
これにより、前機種比で約2倍に向上した低照度性能を実現。動画・静止画を問わず、暗い場所でもノイズを抑えて鮮明に撮影できる。さらに優れた色表現で、人物や風景なども美しく魅力的に描写するという。
また、高性能な「リアルタイム瞳AF」と「リアルタイムトラッキング」を搭載し、人物の瞳や指定した任意の被写体に簡単にフォーカスを合わせられる。さらに、距離情報を解析する「AI深度推定」により、遠い被写体でもしっかりフォーカス合わせが可能だ。最高30コマ秒の高速連写も可能になっている。
■クリエイティブルック
デジタル一眼カメラαシリーズに搭載されている、画作りのための機能「クリエイティブルック」をXperiaに初めて搭載。動画・静止画にかかわらず、撮影段階で質感や色味を思い通りの雰囲気に仕上げることができる。
■S-Cinetone for mobile
動画機能には、人肌の質感をきれいに描写する「S-Cinetone for mobile (エス シネトーン フォー モバイル)」を搭載。 映像制作者から定評のある「S-Cinetone」は、「FX9」などのCinema Lineシリーズや、デジタル一眼カメラαシリーズに搭載している技術を、スマートフォン向けに調整して搭載している。撮影時 に人物の肌の質感をきれいに表現できるため、撮影後にカラーグレーディングなどを施さなくても、印象的でシネマティックな映像としてそのまま記録できる。
4K/120fpsでのスローモーション撮影も簡単。
■モニターとして使用可能
約6.5インチの4K HDR対応有機ELディスプレイを搭載。クリエイターのツールとして、撮影時にカメラの外部モニターとしても使用できる。「ゼブラ」や「ピーキング」の表示も可能。さらに、表示されている映像を記録することもできる。
■商品レビュー用設定
「Xperia 1 V」を使って手軽に動画撮影・配信も可能。ソニーのカメラ「VLOGCAM」シリーズで人気のフォーカス機能「商品レビュー用設定」を搭載。通常は優先して顔に当たるカメラのフォーカスを、手前にある商品に素早く合わせることができる。加えて、新たに声優先マイクをリアカメラ付近に配置している。Vlog撮影に便利だ。
ソニーの最新技術を結集した「Xperia 1 V」は、ゲームや音質にも徹底的にこだわって作られている。しかしその本質はやはり、クリエイター用途にある。スマホに最高の映像や写真を求めたいなら、「Xperia 1 V」を一度体験してみることをオススメする。
〈取材・文〉稲葉利二