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北海道には馬だけが暮らす無人島がある。岡田敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』

岡田敦さんが写真と文章で綴った書籍『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』が発売された。

岡田 敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』

 

北海道に馬だけが住む無人島がある。岡田さんは偶然その島のことを知り、2011年から足を運ぶ。馬の飼主たちは半世紀ほど前に島を去り、以来、人の上陸が制限されているので、自然は島が生まれたときの姿に戻りつつある。

岡田さんは消えゆくものたちと対話しながら、その光景を収めた。その姿を哀しみを持って見てしまうのは、勝手な思い込みかもしれない。彼らは気高く、繊細なまでに美しい。写真はその気配を写し込む。

岡田 敦『エピタフ 幻の島、ユルリの光跡』

体裁 四六判・240ページ
価格 2,970円(税込)
発売日 2023年6月7日
発行 インプレス

 

岡田 敦 (Atsushi Okada)

1979年、北海道生まれ。2003年、大阪芸術大学芸術学部写真学科卒。2008年、東京工芸大学大学院芸術学研究科博士後期課程にて博士号 (芸術学) を取得。同年、“写真界の芥川賞” とも称される木村伊兵衛写真賞を受賞。その他、北海道文化奨励賞、東川賞特別作家賞、富士フォトサロン新人賞などを受賞。主な写真集に『I am』(赤々舎 2007年)、『ataraxia』(青幻舎 2010年)、『世界』(赤々舎 2012年)、『MOTHER』(柏艪舎 2014年)、『安田章大写真集 LIFE IS』(マガジンハウス 2020年)などがある。作品は北海道立近代美術館、川崎市市民ミュージアム、東川町文化ギャラリーなどにパブリックコレクションされている。
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〈文〉市井康延