伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2023年8月号 アザーショット【前編】
「カメラグランプリ2023 あなたが選ぶベストカメラ賞」受賞記念で、「パナソニック LUMIX S5II」のキャッシュバックキャンペーンが2023年8月27日まで開催されている。今回は、この絶好のチャンスに「LUMIX S5II」を買ったらプラスαしたいLUMIX純正の超広角ズーム2本をピックアップ。その特徴と描写性能を確かめてみた。前編では「LUMIX S PRO 16-35mm F4」をチェックする。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2023年8月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- LUMIX S PRO 16-35mm F4 実写チェック
- LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO 実写チェック
LUMIX S PRO 16-35mm F4
[マウント] Lマウント [最大径×長さ] φ85.0×約99.6mm [重さ] 約500g [レンズ構成] 9群12枚 [最短撮影距離] 0.25m [最大撮影倍率] 0.23倍 [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ77mm
参考価格 154,440円 (税込)
色収差が驚くほど目立たない
羽田空港第2ターミナル。標準ズームのワイド端で撮影しても画角が狭すぎて迫力不足になるが、16mmの超広角なら真っ直ぐ伸びるエレベーターとエスカレーター、円柱状の採光窓を幾何学的な構図で撮影できる。輝度差の大きな窓枠部分を拡大しても、色ずれやパープルフリンジはなく、驚くほど色収差が目立たないレンズだ。
周辺部までボケの乱れはほとんどない
超広角ズームにもかかわらず、非球面レンズにありがちな輪線ボケはなく、周辺のボケが流れたり引っぱられたようにならないのが特徴。後ボケも非常に柔らかく、ピント面の解像から微ボケに至る描写もとても滑らかで自然だ。
ボケはコントラストと解像が自然に落ちていく
斜面を埋め尽くすように咲き誇るアナベルをワイド端でF8まで絞って撮影。ピント位置は画面左側・中央のアナベルで、これで手前から斜面中程のアナベルまでが被写界深度内。奥のほうはピクセル等倍では少しボケて見えるが、微ブレしたようなザワザワとしたボケではなく、コントラストと解像が自然に落ちていく感じで好感が持てる。
35mmまでをF4でカバーし、ボケ味も自然で滑らか
ズームテレ端・絞り開放でガクアジサイを撮影。35mmまでカバーしているので、少しクローズアップ気味に撮影したいときも、標準ズームに交換することなく、撮影を続行できる。また、テレ端でも開放F4なので、近接撮影では前後をある程度ぼかせるのも特徴。ワイド域以上にボケ味は自然で滑らかだ。
ゴーストやフレアは少なく、逆光でも安心して使える
巨木の枝に太陽を絡めて撮影してみたが、円形絞りということもあり、F8程度ではあまり鋭い光条は出ない。輝度差が大きな枝の部分を見てもパープルフリンジはなく、ゴーストやフレアはほぼ問題なし。逆光でも安心して使用できるズームだ。
後編では「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」の描写力をチェックします。
本記事で紹介していない実写作例と詳しい解説は『CAPA』2023年8月号でご覧ください。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。