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満月の光だけで撮影した風景が神秘の世界へと誘う 石川賢治写真集『月夜の晩に』

石川賢治さんの写真集『月夜の晩に』が発売された。

石川賢治『月夜の晩に』

■収録作品ギャラリー (タップ/クリックで拡大します)

 

石川さんが写真集『月光浴』を出版したのは1990年。フィルムの時代に、満月の光だけで撮影した風景は多くの人の眼を引いた。

年に12回の満月の夜を狙い、30年以上、世界を旅してきたが、2016年から福岡県の糸島半島に拠点を移した。そこには真の暗闇があり、満月の夜には地上の生命がその光に照らし出される。スギナやテングダケ、月下美人ら小さきものたちが、月と満天の星と一つにつながる。

深い碧色に彩られたその光景は、観る者を静寂と悠久の時に漂わせてくれる。

石川賢治『月夜の晩に』

体裁 A4判・104ページ
価格 5,500円(税込)
発売日 2023年5月19日
発行 小学館

 

石川賢治 (Kenji Ishikawa)

月光写真家。1945年、福岡県生まれ。1967年、日本大学芸術学部写真学科を卒業。同年、ライトパブリシティ写真部入社。1976年よりフリーの写真家として、コマーシャルフィルムおよびスチールを数多く手掛ける。1984年から1985年まで日本とサイパンで月光写真の露出テストを繰り返す。1986年、サイパンで本格的に月光写真の撮影を開始、『月光浴』(小学館) を発表。月光写真家として世界各地を巡り作品を撮り続け、写真集を多数発表。2016年に福岡県の糸島半島に移住。新たな月光写真の創作に挑んでいる。
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〈文〉市井康延