機材レポート

クリエイティブ作業には高性能PCが必須! 光の魔術師・イルコが認めた「DAIV FX-I7G7T」

ストロボを操り印象的なポートレートを撮影することから、「光の魔術師」と呼ばれるイルコ・アレクサンダロフさん。ライティング機材をはじめ、PCやスマホにも詳しい彼が愛用しているのは、マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」です。そこで今回、最新デスクトップPC「DAIV FX-I7G7T」のパワーを体験してもらいました。

DAIV FX-I7G7T レビュー

イルコのクリエイティブ作業を支える「DAIV」シリーズ

イルコ・アレクサンダロフです。私は日本中の海や山におもむいてポートレート撮影を行なっています。以前は移動しやすいノートPCをメインに使用していましたが、ミラーレスカメラは新しくなるたびに画像1枚のデータ容量が大きくなり続け、しかも1日で簡単に何千枚も撮影することができます。RAW現像などはノートPCでは負担が大きく、処理にも時間がかかっていました。

そこで、2019年に久しぶりにデスクトップPCを導入しました。それが「DAIV-DGX761E2-M2SH2」です。何千枚もの画像も劇的な速度で処理してくれるその性能には、すごく驚きました。以来、すでに丸4年間以上の時間が経過しましたが、実際のところたいへん満足していて、特に不満はありません。良い買い物でした。

ただ、4年経つとPCの性能は大きく変わります。そろそろメインPCのアップデートを考えていたところ、最新の「DAIV FX-I7G7T」を体験できるということで、その実力を試してみたいと思います。

DAIV FX-I7G7T レビュー

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「DAIV FX-I7G7T」はココがイイ

DAIV FX-I7G7T」は、CPUに「インテル Core i7-14700KF」、グラフィックスに「GeForce RTX 4070 Ti」を搭載。標準メモリーは32GB、ストレージは「2TB M.2 SSD」と、基本構成ですでに十分なスペックです。

使ってみてまず感じたのは、いちだんと処理速度が向上したということ。同じような作業をすると、思っていた以上に動作が軽く高速化していると感じました。特に、最近のカメラの画像を何千枚と処理すると、そのスピードの差は圧倒的です。例えばサムネイルはあっという間に表示されますし、大量の画像データの保存も短時間で完了、ソフトの動作などもスムーズで快適。新しいマシンを使うと、やはりメッチャ欲しくなります (笑)。

DAIV FX-I7G7T レビュー

 

つい先日、私は49型ウルトラワイド曲面ディスプレイを導入しました。作業用のウインドウを一度にたくさん並べられるので快適です。しかも27型液晶2枚分に匹敵する5K / 5,120×1,440ドットという高解像度の画面表示を、「DAIV FX-I7G7T」の高いグラフィック性能はまったく問題なく見せてくれます。もっとモニターをつないでも余裕で表示してくれそうです。

DAIV FX-I7G7T レビュー
「DAIV FX-I7G7T」に49型ウルトラワイド曲面ディスプレイを接続

 

マウスのフルタワーデスクトップPCは、今年1月にシャーシのデザインが変更されて、よりカッコよく洗練されました。従来型でも高かった質感に、さらに磨きがかかっています。内部のエアーフローなどにより冷却が考慮されていて、長時間でも安定した稼働をしてくれます。

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ケース上部に電源ボタンとUSBコネクタが配置されているのも気がきいていて便利です。Type-C端子の装備も最近では絶対必要です。

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普段、私は各記録メディアのカードリーダーをマグネットでケース側面に取り付け、ケーブルを差し替えて画像を取り込んでいます。コネクタが上部にあることで、カードリーダーも使いやすくなります。

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背面にはDisplayPortやHDMI、各種USBコネクタが並んでいるため、どんな周辺機器を接続しても大丈夫そうです。さらに、ケース内部にはSSDやHDDの増設が可能。もし私だったら、2TBのCドライブはソフトウェア専用にして、作業用のSSDとデータ保存用の大容量HDDを増設します!

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これはケース裏のキャスター。フルタワーで大型なので、これがあると、設置場所を動かしたり、カスタマイズでケースを開けるときなどに快適に移動できます。そのときケース上部にあるハンドルが役立ってくれます。大変よく考えられたPCケースですね!

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画像管理からRAW現像まで! イルコ流レタッチ術

① Bridgeで記録メディアの画像を閲覧

ここからは、私が普段どのように作業しているか「DAIV FX-I7G7T」を使って紹介します。私は、Adobeの「Bridge」で画像を確認、「Photoshop」のプラグイン「Camera Raw」を使ってRAW現像を行ない、現像後は「Lightroom Classic」で写真の整理や閲覧をします。「Camera Raw」と「Lightroom Classic」は機能的にほぼ同様ですが、そのまますぐに「Photoshop」でのレタッチに移行できる「Camera Raw」を使っています。

DAIV FX-I7G7T レビュー

 

撮影したRAW画像は手動で保存用HDDにコピーして、まずAdobeのファイル管理ソフト「Bridge」でチェックします。「DAIV FX-I7G7T」だと、このサムネイルの読み込みがものすごく速いです。ここがとても重要で、読み込みが遅いと、最悪PCが止まったりして作業が進まずイライラしますが、「DAIV FX-I7G7T」は数千枚でもあっという間に表示してくれるので快適でした。

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読み込み後、並んだサムネイルを[←][→]キーで選び、よく撮れた画像に「★」を付けて絞っていく方法もあります。全画像の確認が終わったら「★」1つでレーティングすると、チェックした画像を簡単に表示できます。ただし私はほとんどの場合、すべての画像を選択して「Photoshop」で開いてしまいます。

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「Photoshop」は常時起動しているので、そこに「Bridge」から全画像をドラッグ&ドロップして、「Photoshop」で開きます。ここでは先日1日で撮影した656枚を開きました。

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② Adobe「Camera Raw」でRAW現像

RAW画像なので「Photoshop」のプラグイン「Camera Raw」が起動します。「Bridge」で付けた「★」はここでも引き継がれていて、セレクトに役立ちます。通常、サムネイル (Photoshopではフィルムストリップ) は画面下に並んでいますが、私は縦方向に並ぶよう設定しています。そうすると画像が大きく見やすいのでオススメです。

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次に、私が通常行なっている基本的なRAW現像をお見せします。私は、撮影では常にストロボを使用し、設定もすべてマニュアル。1シーンで50枚くらいは同じライティングで撮影しますが、このとき被写体とストロボの距離は変わらないので、各画像の露出のバラツキはほとんどありません。そのため1枚だけ現像して、その設定を残りの画像すべてに適用すれば、ほぼ完了です。また、同じような画像は複数枚選択してから調整すると、1回でまとめて変更することも可能です。

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カメラのカラー設定を再現するには、「プロファイル」の「カメラマッチング」を選択します。今回は「ソニー α7 IV」で撮影したので、よく使う「FL」を選択しました。

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「ライト」パネルの各スライダーを動かして、ハイライトは飛ばさないよう注意しながら明るく、シャドウ部は少し明るく細部を見せる方向で調整していきます。もっともシンプルな場合はこれで完了です。見ている人の目がモデルに集中するよう「周辺光量補正」で四隅を少し暗くすることもあります。

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③ 画像の一部分を調整する

例えば、空など画像の一部分だけを調整したくなる場合があります。そんな場合は「マスク」機能を使います。「マスク」とは、簡単に言うと「画像の選択した部分を保存」してくれる機能です。以前は正確な選択が大変でしたが、ここ数年のAIの発達で「Photoshop」は自動的に空や被写体を認識して、かなり正確に選択してくれるようになり、すごく作業が楽になりました。「マスク」に切り替えて、「被写体」ボタンを押すだけで被写体を選択してくれます。

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被写体であるモデルが赤く選択されています。赤い色は選択されている部分を示しているだけで、画像が赤くなったわけではありません。きれいにモデルを選択してくれていますね。すごい! さらに、肌や髪といった条件でより詳細に選択することも可能です。

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今度は「空」を選択すると、空が赤くなりました。ほとんど上手に選択できていますが、実はモデルも少し選択されてしまいました。「人物を選択」を選んで「削除」ボタンを押すと、モデルのマスク部分を消して、空だけを選択することができます。

DAIV FX-I7G7T レビュー

 

空の部分をやや暗くすると、よりドラマチックな写真になりました。

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ただし、自動で選択しているため、細部がうまくいかない場合があります。この画像では、よく見ると頭や腕の上の部分が調整されず残っていました。これは追加で修正が可能です。

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「ブラシ」を使ってその部分をなぞると、その場所も調整されました。調整の方法はほかにもいろいろありますが、ブラシが視覚的でわかりやすいです。

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矢印

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これで完成です。

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④ 調整した設定をほかの画像にも適用させる

1つの画像に施した調整は、ほかの画像にも反映させることができます。「同期」という機能を使います。フイルムストリップから同期させたい画像をすべて選択して[Alt]+[R]キーを押すと「同期」画面が表示されますから、OKをクリックするだけです。

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同期が終わった画像はJPEGで保存します。すべての画像を選んでファイル形式を「JPEG」、画質は「最高」にして保存します。このときは656枚あったので、すべての保存に約5分30秒かかりましたが、自分の「DAIV」では8分ほどかかったので、かなり高速化したことを実感しました。

DAIV FX-I7G7T レビュー

 

保存後は、画像の検索やピックアップなどの作業はすべて「Lightroom Classic」で行なっています。今まで撮影した画像は、おもに日付でフォルダ分けしてすべてギャラリー化し、必要なものがいつでも探し出せるようにしています。

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拡大表示するときや別画像に切り替えるときも、PCのスペックが低いとうまく動いてくれず、作業が遅れストレスになりますが、もちろん「DAIV FX-I7G7T」はスムーズに動いて快適でした。

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【まとめ】「DAIV FX-I7G7T」はメッチャ快適でした!

DAIV FX-I7G7T」は処理が高速なうえ、作業中にほかの画像に切り替えたりサムネイルを確認したりするときに、動きが遅くなったり止まったりもしないので、いろいろな作業を快適に行なうことができました。自分の「DAIV」にも満足していましたが、新製品の魅力を知ってしまい、元に戻れなくなってしまいそうです。

「DAIV」は製品の種類も多く、価格帯も自由に選べます。さらにメモリやストレージの増設、CPUのアップグレードなどカスタマイズも可能なので、自分が望むスペックを手に入れることが可能です。大量の画像処理をするなら、ぜひ「DAIV FX-I7G7T」を使ってみてください。作業がメッチャはかどりますよ!

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DAIV FX-I7G7T 主な仕様

CPU インテル Core i7-14700KF プロセッサー
メモリ 32GB (16GB ×2 デュアルチャネル / 最大128GB)
グラフィックス GeForce RTX 4070 Ti
ビデオメモリ GDDR6X 12GB
ストレージ 2TB M.2 SSD (NVMe Gen4 ×4)
インターフェース ディスプレイ ×4 (背面 DisplayPort ×3、HDMI ×1)、USB3.2 (20Gbps) ×1 (背面 Type-C ×1)、USB3.0 (5Gbps) ×7 (背面 Type-A ×4、上面 Type-C ×1、Type-A ×2)、USB2.0 ×2 (背面 Type-A ×2)
大きさ (幅×奥行き×高さ) 約220×530×525mm (突起部を含む)
重量 約12.4kg

 

イルコ・アレクサンダロフ

イルコ・アレクサンダロフ (Ilko Allexandroff)

ブルガリア生まれ。神戸を拠点にファッション、ポートレート、ウェディングの撮影や、写真セミナーなどの活動を全国的に展開。YouTubeにおいてクリエイティブなライティングを駆使した写真や、独自のポートレート撮影テクニックの紹介動画を数多く投稿し、SNSを含め多くのファンを獲得している。撮影に関するセミナーの講師も担当し、撮影テクニック、デジタルカメラ関連の執筆も多数。
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〈協力〉株式会社マウスコンピューター