街中などのイルミネーションはとても美しい。だが、いざ撮ってみると、なんだか小さなLED電球だけが目立った写真になりガッカリすることがある。そんなときは光芒や丸ボケ、それに多重露光などで、肉眼で感じたキラキラ感を写真に演出してみよう。
- シャープに鮮やかに輝く夜景を描き出す撮影術
- イルミネーションをさらにキラめかせる撮影術
積極的に光を盛ってキラキラ感をアゲる
通常の夜景のようにシャープに写すより、ふんわりやわらかく撮りたいので、絞りを明るい開放値あたりにすると大きくボケた丸ボケになる。ISO感度を少し上げるだけで手持ちでも十分撮れる。長い焦点距離のレンズが大きくボケるので撮りやすい。灯ったLED電球に前玉直近まで近づいて、それ越しに被写体を撮るのもいい。
ボケを合成する場合は、現場でカメラ内で行なう多重露光と、あとからボケた画像をソフト上で重ねる2通りの方法がある。「比較明合成」で重ねるとうまくいくことが多い。
寒い中での長秒露光はバッテリーを消耗するので満充電の予備を忘れずに。さあ、輝く夜の街に出発だ!
① 光源に寄ることで丸ボケが大きくなる
銀座の街路樹に灯るLEDに望遠レンズで直前まで近づいて、時計塔を手持ちで撮った。手持ちだと構図などを変えたバリエーションが手軽に撮れ、その中の1枚がこれだ。
② 電池式の小さなLEDで自分専用の丸ボケを作る
LEDは100円ショップで購入。これさえあればイルミが少ない場所でも自分専用のセルフ丸ボケが簡単に作れる。発光パターンに常時点灯式と点滅式があり、常時点灯式が撮りやすいので、購入時に確認を。
③ ソフトフィルターで点像をにじませて光を大きく見せる
ソフトフォーカスフィルターは星景撮影で星をにじませるのに使っている人も多く、一番手軽に光源をキラキラできるアクセサリー。緊急時はレンズ表面に息を吹きかけて曇らせてもいい。
④ クロスフィルターはポイントを絞るとより効果的
クロスフィルターを使えば光源から光芒が伸びてキラキラしたイルミが撮れる。光芒の数は4本、6本、8本などから選べる。その効果が構図全面にかかるものや1/4だけなどがあるので、好みで使い分けよう。
⑤ ボケ素材を比較明合成してキラメキ感をアップ
アウトフォーカスのボケ素材を撮影して、「比較明合成」で重ねた。暗い夜空にどのような丸ボケを配置するかがポイント。カメラ内の多重露光機能でも、パソコンソフトでも簡単にできる。