現在、唯一110フィルムを製造しているロモグラフィーから、クリエイティブな撮影機能を詰め込んだ新しい110カメラ「Lomomatic 110」が新登場。カメラ本体の素材と色は、金属製でシルバーのMetalと、プラスチック製でカラフルなGolden Gateの2種類。Golden Gateバージョンは、フラッシュあり/なしの製品が選択できる。価格は、Flash Metal 21,980円、Golden Gate 13,480円、Flash Golden Gate 16,980円 (いずれも税込)。
1970年代から支持されてきた110フィルム&カメラ
1972年に登場した110フィルム (ワンテンフィルム) は、映画用16mmフィルムと同じ幅のフィルムをカートリッジ式にした製品。それを使用する110カメラは、ボディの小型化が容易で、フィルム装填や撮影方法も簡単。だから、気軽に写真を撮りたいユーザーなどに、支持され続けてきた。
自分自身も、コダックの「ポケット インスタマチック」や、ペンタックス「オート110」などで、普段使用している35mm判カメラとは違う “遊び心” を満喫していたものだ。しかし、35mm判カメラの自動化や低価格化が進み、フィルムサイズ (面積) も小さい110フィルムは、次第に存在感が薄れていった。
110フィルムの復活! そして、懐かしいギミック満載の110カメラ登場
2009年には、110フィルムの製造販売が終了。だが、2012年にロモグラフィーにより復活し、LomoChromeシリーズやモノクロなどのラインアップを展開。現在、世界で唯一の110フィルム製造販売メーカーである。
そんなロモグラフィーから発売された「Lomomatic 110」は、小さなカメラ本体に撮影を楽しむための機能やギミックが満載。コンパクトなスライド機構。搭載レンズはシャープなガラス製。フラッシュは取り外しが可能。オートのシャッタースピード (自動露出)、2段階の絞り、手動で設定可能なISO感度。4段階のゾーンフォーカス。B (バルブ) による長時間露光。多重露光も可能である。
スパイ用カメラを彷彿とさせるスティック形状の小型ボディは、135フィルム (主に35mm判として使用) のカメラとは違う、携行性の良さや独特な撮影スタイルが楽しめる。そんな「Lomomatic 110」は、筆者のように110カメラ全盛時を知る者には “懐かしさ” を覚えるだろうが、知らない人にとっては “斬新で個性的な小型カメラ” に映るだろう。
110フィルムが現像できる場所
撮影するのは良いけど、その後はどうする? ということで、110フィルムの現像ができる (受け付けている) 所が気になるポイント。これに関しては、現在のところ関東圏で10店、関西圏で4店の写真関連の店で受け付けているようだ (店によってサービス内容に差あり)。
作例
Lomomatic 110
発売日 2024年3月6日
使用フィルム 110フィルム
レンズ焦点距離 23mm
絞り F2.8、F5.6 (2段階切り替え式)
フォーカス ゾーンフォーカス (4段階)
シャッタースピード オート、バルブ
ISO感度 ISO 100 / 200 / 400 (切り替え可能)
電源 CR2 1本