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“写真部は人柄を磨ける場所” 総勢41人の大所帯になった千葉県随一の写真部に潜入!

全国の頑張る写真部を紹介するこの企画。今回は、千葉県立四街道高等学校写真部を訪ねました。

We are 写真部 #9 千葉県立四街道高等学校 写真部

新1年生が入部! 総勢41人になった新生写真部

千葉県立四街道高等学校は千葉県四街道市にあり、1951年の創立以来「四高(よつこう)」の愛称で親しまれています。取材したのは新入生が入学してから約1カ月がたった5月上旬の活動日。写真部は3年生が10人、2年生が17人、1年生が14人の総勢41人となり、普段活動している生物室がいっぱいです。

部活の終わりには終礼が行われ、連絡事項の共有や先生からの叱咤激励があります。

主な活動日は火曜日と木曜日の放課後、そして土曜日の週に3日間で、定期的に撮影会が行われます。校外では県内の自然豊かな場所へ電車で撮影に出かけたり、校内では夏らしい水を使った撮影に挑戦したりします。撮影会は先輩と後輩の仲を深めるきっかけにもなっています。

夏の撮影会で撮影された写真

入部してから写真を始める生徒も多いため、写真部には共有のカメラなどの機材がたくさんあります。2年生までに自分のカメラを買うことが写真部入部の条件となっています。

キヤノンやニコンなど貸出機材のメーカーはさまざま。

▽取材日の様子はこちら

取材日は部員それぞれが自由に活動し、校内で撮影をする生徒やパソコンで作業をする生徒、新入生と交流を深める生徒など普段の活動を垣間見ることができました。

グランドで撮影をした豊岡那月さん


白詰草が綺麗に咲いていたので、前ボケに使い良い雰囲気の写真を狙いました。ファインダーを除かずにローアングルで撮影したので、雨の水滴でカメラを壊さないかドキドキでした。最近購入した50mmの単焦点レンズのボケ感が大好きでお気に入りです。

部の中心に立って活動を支える部長

3年生 沼倉優さん

中学生の時から写真部への入部を決めていた沼倉さんにとって、カメラは入部前から身近な存在でした。「祖父が一眼レフを持っていて、よく借りていました。小学生のときにコンパクトカメラを買ってもらったのをきっかけに、本格的に写真に興味を持ちました。今使っている一眼レフは家族から借りているカメラで、僕が独占中です(笑)」。

人物写真を撮ることが多いという沼倉さん。憧れの写真家はハービー・山口さんとのこと。「2024年1月に開催された関東大会に出場した際の審査員がハービーさんでした。そこで、ハービーさんの作品やこれまでどのように撮影してきたかを聞くことがあり、とても感銘を受けました。すばらしい写真ばかりで、僕もあんな写真を撮りたいと思っています」。

関東大会に出品したお気に入りの写真「夕飯時」

写真が大好きで写真部の顧問に! オールドレンズも使いこなす頼れる先生

特別顧問:長沼宏幸先生

四街道高校写真部が活動的になったのは長沼先生が顧問になった約10年前からでした。「写真部は人柄を磨ける場所だと考えています。写真は個人種目ですから、ひとりでもできますが、それをみんなでやることに意味があると思います。休日も活動することがあるため、戸惑う生徒も多いですが、その中でも活動を続けられる生徒が成長していますね」。

CAPAの月例賞をはじめ、全国大会や多くのコンテストで活躍する四街道高校写真部に長年携わっている先生には感じることがあるといいます。「部活の規律をある程度守るために、うるさく厳しくやっているところもありますが、それをよく受け止めて、一生懸命いろんなことにチャレンジしてくれています。伝統と言いますか、長く続く写真部の良いところを、きちんとと受け継いでくれていますね」。

取材日の様子を撮影してくれた2人

左から3年生の大水碧さん(富士フイルム X-T3)、小安真緒さん(キヤノン EOS kiss X10)

—–写真部入部のきっかけを教えてください
大水さん:父がカメラを持っていて、よく家族の写真を撮ってくれました。それを見ていてかっこいいなって思ったので写真部に入部しました。今しか撮れない同い年の高校生をモデルにした写真をたくさん撮りたいです。
小安さん:中学生の時、四街道高校の学校説明会で写真部の先輩たちの作品を見て、かっこいいなと思って興味を持ちました。自分もこうやって撮りたいと思い入部しました。

—–部長を撮影してみてどうでした?
大水:優しい面もありつつかっこいい、いつもの部長を撮れるように頑張りました。

—–先生を撮影してみてどうでした?
小安:ちょっとふざけた感じも、真面目な感じも両方撮影しました。先生をひとりで撮影したのが初めてだったので緊張しました。

—–活動の様子を撮影してみた感想を教えてください!
大水:普段の活動の様子を撮影するのは新鮮でした。
小安:雨がたくさん降っていると外で撮影できないこともありますが、今日は小雨程度の雨だったので屋外での撮影に挑戦しました。いつも傘をさして撮影しないので、雨の日らしい活動の様子が撮れました。

生徒は変わっても写真部は変わらない

生徒たちが一人一人、写真を通じて学び、挑戦し続けるからこそ、多人数でも堅実な活動が維持できていました。10年以上、コンテストで活躍し続ける写真部の根底にあるのは、日々のしっかりとした活動と努力です。それを、取材を通じて感じることができました。今後もたくさんのことに挑戦する四街道高校写真部の写真が楽しみです。

全国の頑張る写真部を応援します!

CAPA CAMERA WEBではぜひ取材をしてほしいという熱意ある写真部を募集中。部員が一人でも大丈夫! 全国の仲間たちに君たちの想いを届けよう! 写真部はみんながレギュラーだ。

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