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プロ仕様の動画性能と像面位相差AFを搭載した動画フラッグシップミラーレス「LUMIX GH7」

パナソニックは、マイクロフォーサーズ規格のミラーレスカメラ「LUMIX GH7」を2024年7月下旬に発売する。価格はオープン。市場推定価格はボディ単体 (DC-GH7) で274,200円前後、「LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.」が同梱される標準ズームレンズキット (DC-GH7L) は347,500円前後 (いずれも税込)。

LUMIX GH7 標準ズームレンズキット

 

「LUMIX GH7」は、2022年3月25日に発売された「LUMIX GH6」の後継機に位置付けられるマイクロフォーサーズ機。外観こそ変化が見られないが、その中身は大幅に進化している。映像制作クリエイターが求める高度な動画撮影性能と像面位相差AFを採用するなど、「LUMIX GH6」から強化された部分が多い。

LUMIX GH7 標準ズームレンズキット
LUMIX G9PROII」はLUMIX Gシリーズの静止画フラッグシップモデル、「LUMIX GH7」は動画フラッグシップモデルという位置づけ。

■像面位相差AF対応の裏面照射型センサー

新開発となる有効約2520万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。像面位相差AFを搭載し、フルISOレンジでのダイナミックレンジブーストに対応する。これは静止画・動画のいずれの撮影においても、白トビや黒つぶれを抑えた階調の広い映像の記録を可能にするもの。

LUMIX GH7

GHシリーズとして初めて像面位相差AFを搭載し、従来モデルに比べてAF機能も進化している。動体追従性の向上、複数の被写体へのサポート、逆光時や低照度時、点光源への対応などが盛り込まれた。また、映像制作クリエイター向けに画面手前の商品にピントが合う設定が設けられた。

被写体認識AFも進化。従来機の人物、動物 (鳥・犬・猫)、車、バイクに加え、列車、飛行機の認識も可能になった。さらに、複数の被写体か効率的に人物を認識したり、動物と人物を分けて判別でき、車・バイク・列車・飛行機では、特定の部位を選択する設定も盛り込まれた。

画像処理エンジンには、ライカとの共同開発による「L2 Technology」を搭載した新世代のヴィーナスエンジンを採用。膨大な画像情報を高速処理でき、高精細かつ自然な質感描写を実現する。

手ブレ補正は、従来機と同様、センサーシフト式のボディ内5軸手ブレ補正機構を搭載。静止画撮影時には7.5段の補正効果が得られる。Dual I.S.にも対応し、このときも7.5段の補正効果となっている。動画撮影時には、ボディ内手ブレ補正、Dual I.S.に加え、5軸電子手ブレ補正 (E.I.S.)、歩き撮りに適したアクティブI.S. を使用できる。

■ワークフローを改善する動画撮影機能の数々

動画記録モードは、「LUMIX GH6」と同様、ハイレベルなポストプロダクションに対応する最大5.7K 60p、4K 120pの撮影を行える。記録メディアは、CFexpress Type-BとSDメモリーカードの2種類のスロットを持ち、消費電力の少ないCFexpressカード使用時には、無制限に記録が可能となる。

LUMIX GH7

ダブルスロットであることを利用し、スロット1のCFexpress Type-Bにオリジナル動画を記録し、同時にスロット2のSDメモリーカードに低ビットレートでデータサイズの小さいプロキシファイルを記録することができる。

LUMIX GH7

 

大きな変更点としては、ProRes RAW内部記録への対応がある。「LUMIX GH6」「LUMIX G9PROII」では、ATOMOSなどの外付けレコーダーと接続したときのみProRes RAW記録を行えたが、「LUMIX GH7」ではCFexpressカードとUSB接続したSSDへの記録が可能になった。ARRI社のシネマカメラとのカラーマッチングが可能な「ARRI LogC3」にも対応する

※別売のアップグレードソフトウェアキー「DMW-SEU3A」(市場推定価格 税込33,000円前後) が必要。

音声面では、世界初となる撮影時の細かな音声録音レベル調整が不要な「32bitフロート録音」に対応。この録音方式は、別売のマイクロホンアダプター「DMW-XLR2」を使用することで可能となる。

LUMIX GH7
「DMW-XLR2」を使用してマイクを装着したイメージ

■リアルタイムLUTに対応

フルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S5II」より搭載された「リアルタイムLUT」を、「LUMIX G9PROII」に続いて搭載。自分好みの画作りを写真・動画に反映して記録できる機能で、お気に入りのクリエイターのLUTをカメラに登録して使うこともできる。

オリジナルのLUTを作成し、スマートフォンに保存できるスマホアプリ「LUMIX Lab」に対応。クリエイターLUTをアプリにダウンロードし、「LUMIX GH7」に転送することが可能。このアプリは、「LUMIX GH7」で撮影した写真やビデオをスマホに転送し、SNSなどアップロードする際にも利用できる。

■ライブストリーミングが可能

5Gスマートフォンなどの高速通信機能を持つスマートデバイスを介してライブストリーミングを行う無線ストリーミング機能を持つ。屋内環境では、有線LAN接続によるIPストリーミングによる安定性の高い配信が可能。カメラとPCを有線LANケーブルで接続し、複数のカメラを制御して最大4K 60p/50pの映像・音声の配信を行うことができる。

■ファン搭載の放熱構造

ボディ後部には、長時間撮影する放熱構造を採用。内部にファンを内蔵し、後部と側面のスリットを通して、効率よく熱を逃がす。長時間の動画撮影、タイムラプス撮影など、プロの撮影現場の要求に応える。

LUMIX GH7
放熱構造のイメージ

 

液晶モニターは、「LUMIX GH6」から引き続きチルトフリーアングル機構を採用。チルト式とバリアングル式の特徴を併せ持ち、チルトしながら自在にフリーアングル撮影を行える。側面に装着するケーブル類に干渉しない点も大きなポイント。

LUMIX GH7

 

軽量かつ耐久性のあるマグネシウム合金フレームを採用した堅牢なボディは、接合部や操作部にシーリング構造を用いて、高い防塵・防滴性能を発揮。寒冷地での撮影も可能にする−10℃の耐低温設計も実現している。

LUMIX GH7
シーリングのイメージ

Panasonic LUMIX GH7 主な仕様

有効画素数 約2520万画素
撮像素子 4/3型 裏面照射型 CMOSセンサー
マウント マイクロフォーサーズ
ISO感度 静止画 ISO 100〜25600 (拡張 ISO 50)、動画 ISO 100〜12800 (拡張 ISO 50)
シャッター速度 1/8000〜60秒 (電子シャッター時 1/32000〜60秒)
AF方式 779点 像面位相差AF/コントラストAF
S-AF連写 メカシャッター 最大14コマ/秒、電子シャッター 最大75コマ/秒
C-AF連写 メカシャッター 最大10コマ/秒、電子シャッター 最大60コマ/秒
AI被写体認識AF 人物、動物 (犬・猫)、鳥、車、バイク、列車、飛行機
動画記録方式 C4K (最大60p)、4K (最大60p)、ハイスピード撮影240fps (FHD)
ファインダー 0.5型 約368万ドット 有機EL、倍率 約1.6倍 (35mm判換算 約0.8倍)
モニター 3.0型 約184万ドット液晶、チルトフリーアングル式
記録媒体 (スロット) CFexpress Type-B ×1、SDメモリーカード ×1 (UHS-II対応)
バッテリー 専用リチウムイオンバッテリーパック (DMW-DCC18)
サイズ (幅×高さ×奥行) 約138.4×100.3×99.6mm
質量 約805g (バッテリー、SDメモリーカード1枚を含む)、約721g (本体のみ)
付属品 アイカップ、ホットシューカバー、シンクロターミナル端子カバー、バッテリーパック、バッテリーチャージャー、TC IN/OUT用BNC変換ケーブル、ショルダーストラップ、ボディキャップ