キヤノンは、EOS Rシリーズの高画素モデル「EOS R5 Mark II」を2024年8月に発売する。価格はオープン。キヤノンオンラインショップの参考価格は、ボディのみが65万4500円、「RF24-105mm F4 L IS USM」をセットにした24-105/L4キットが80万8500円前後(いずれも税込)となっている。同時発表されたフラッグシップモデル「EOS R1」と共通化した操作性が特徴で、「EOS R1」と同等の先進機能をいくつも備えながら、「EOS R1」に先行して一足早く発売されることになる。
■高画質を実現する新開発のイメージセンサーと映像エンジンを搭載
イメージセンサーは、新開発の有効約4500万画素のフルサイズ裏面照射積層CMOSセンサー。画像処理エンジンには「EOS R1」にも搭載される新開発の映像エンジン「DIGIC Accelerator」を採用する。ディープラーニング技術を融合することで高速解析AF、高速連続撮影、高速読み出し、高画質などを実現する。さらに画素数を4倍に拡大する「カメラ内アップスケーリング」により、さらなる高画素化も可能だ。ボディ内手ぶれ補正は「EOS R1」と同等の最高8.5段の協調制御を実現する。常用感度:ISO100〜51200となっている。
■次世代AFシステム「Dual Pixel Intelligent AF」を採用
AFシステムは、「デュアルピクセルCMOS AF II」をさらに進化させた「Dual Pixel Intelligent AF」を採用する。「EOS R1」に採用される「クロスAF」は搭載されていないものの、高精度で安定したAFを実現する。
・視線入力
新開発の小型光学系の採用と検出アルゴリズムの刷新により、検出フレームレートが約2倍に向上した視線入力は、「EOS R3」よりも使いやすさを向上させ、入力精度もアップした。なお視線入力は、静止画撮影だけの機能となっている。
・被写体を捉え続けるAF性能
サッカー、バスケットボール、バレーボールの3競技に対応した「アクション優先」、複数の人物の中から優先する被写体を追尾する「「登場人物優先AF」など、「EOS R1」と同等の機能を備えている。トラッキング機能も「EOS R1」と同等で、類似する被写体が交錯するシーンでも追尾し続ける「トラッキング交錯対応」のほか、上半身検知、頭部領域の推定することで障害物を回避するなどして「EOS R3」を上回るトラッキング性能を備えている。「トラッキングON/OFF瞬時切り替え」や「フォーカスプリセット」の機能も搭載する。
■連続撮影速度を変更したり、シャッターを切る前の画像を記録できる
電子シャッター時の連続撮影は最大約30コマ/秒で「EOS R1」の約40コマには及ばないものの、メカシャッター時には同等の最大約12コマ/秒の連続撮影が可能となっている。またボタンカスタマイズで異なる連写速度を設定すれば、連写速度を変更することができる。ファインダー表示は、ブラックアウトレスに加えて、「EOS R3」と同様にブラックフレーム挿入もでき、視線入力用のアイカップも用意されている。
シャッターボタン全押し前の画像を記録する「プリ連続撮影」(Pre REC)は15コマ/秒で、撮影枚数は最高連続撮影速度で0.5秒間撮影できる枚数に固定となる。JPEG、RAWともに撮影が可能。動画撮影時には撮影前の5秒間または3秒間の記録ができる。
■「EOS R5」と同等の堅牢性・防塵防滴性能を備えた
「EOS R5」と同等の堅牢性・防塵防滴性能を備えており、EVFの防曇性能は「EOS R3」を超えるものとなっている。
ペンタ部脇には、動画撮影中を示すタリーランプも新設されている。
マルチコントローラーは「EOS R6 MarkII」「EOS R1」と同形状のものを採用。
ボディ側面と底面には、空冷用のダクトが追加されている。
■動画性能
フルHD60p動画とJPEG静止画の同時記録ができる。また、Cinema EOSと共通の「カスタムピクチャー」を搭載し、撮影時にLUT(ルックアップテーブル)を適用することも可能だ。Cinema EOSの標準表示機能「波形モニター」「フォルスカラー」と「ゼブラ表示」を搭載する。「波形モニター」は入力信号の輝度レベルをリアルタイムに表示するもので、「EOS R1」にも搭載されていない機能のひとつ。動画撮影時の常用感度はISO32000。6K60pのRAW記録や4K MP4動画など、本体記録できる機能は「EOS R3」よりも増えている。
■新バッテリーパック「LP-E6P」を採用
バッテリーには「EOS R5 Mark II」の性能を最大限に引き出すために最適化された新バッテリーパック「LP-E6P」を採用する。容量は従来の「LP-E6NH」と同じ2130mAhだが瞬間的な最強出力が高いのが特徴で、「EOS R5 Mark II」では「LP-E6P」を使用することで8K DCIの動画記録や、動画撮影時の静止画記録、HDMIのRAW出力、冷却ファンの使用などが可能になる。なお「LP-E6P」は従来モデルでも使用できるほか、バッテリーチャージャー「LC-E6」での充電も可能だ。
■アクセサリー
2種類のバッテリーグリップとクーリングファンも登場した。
・バッテリーグリップ「BG-R20」
縦位置での操作性を向上させるバッテリーグリップ。マルチコントローラーも装備されている。「EOS R5」「EOS R6 Mark II」「EOS R6」にも装着可能。
価格はオープン。キヤノンオンラインショップの参考価格55,000円
2024年8月下旬発売予定
・Ether付きバッテリーグリップ「BG-R20EP」
縦位置のバッテリーグリップの機能に加え、高速通信2.5G Base-T対応のEthernet端子を備えている。「EOS R5 Mark II」専用。
価格はオープン。キヤノンオンラインショップの参考価格82,500円
2024年8月下旬発売予定
・クーリングファン「CF-R20EP」
「EOS R5 Mark II」の動画性能を最大限に引き出すための冷却ファンと2.5G Base-T対応のEthernet端子を備える。「EOS R5 Mark II」専用。
価格はオープン。キヤノンオンラインショップの参考価格64,900円
2024年8月下旬発売予定
EOS R5 Mark IIの主な仕様
映像素子 フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサー
有効画素数 最大約4500万画素
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度(静止画撮影時) ISO 100〜51200 (拡張 ISO 50相当、102400相当)
ISO感度 (動画撮影時) ISO 100〜25600 (拡張 ISO 51200相当)
シャッター速度 (静止画撮影時) メカ/電子先幕シャッター 1/8000~30秒、バルブ、電子シャッター 1/32000~30秒、バルブ
シャッター速度 (動画撮影時) 1/8000~1/25秒
ファインダー 0.5型 約576万ドット 約0.76倍 OLEDカラー電子ビューファインダー
画像モニター 3.2型 約210万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 CFexpressカード (2.0 / Type B / VPG400対応)、SDメモリーカード (UHS-II対応)
大きさ (幅×高さ×奥行き) 約138.5×101.2×93.5mm
質量 約656g (本体のみ)、約746g (バッテリー、メモリーカードを含む)